東京都立駒場高等学校の「学校改革のための意見公募」が持つ大きな意味

去る6月18日(日)、東京都立駒場高等学校の公式Twitterアカウントが学校の改革のために学内外を問わずフォロワーからの意見を募る投稿を行い、本日13時の時点で表示回数が10万回を超える大きな反響を呼んでいます[1]。

この投稿に対しては、具体的な提案や学校の方針への賛同の他、投稿そのものの意義を評価したり、学校の現状に対する見方への懐疑的な考えや否定的な意見が寄せられるなど、様々な立場からの反応が示されています。

それとともに、多くの反応も公立高校の公式アカウントが外部に向けて学校の改革への指摘や提案を求めたという点に一定の評価を与えており、それだけ、今回の投稿が意外感をもって受け止められていることが分かります。

確かに、学校の改革といえば、最初に教職員が施策を立案するか、都立高校の場合は都の学校支援センターが関与したり、外部の有識者からなる学校運営連絡協議会が何らかの提案を行うということが順当な対応となるでしょう。

しかし、今回はそのような従来の手法だけでなく、学校の現状に対する危機感を表明した上で広く意見を募るというところが画期的であり、関心を集めることになりました。

ここで重要なのは、ひとたびこうした提案を行えば、多くの人たちが学校の今後の動向に注目することになります。

従って、もし意見を募る時はその旨を公表しつつ、具体的な施策を策定した際は公表しなかったり、その後の対応への言及がない場合は、形式的に改革に向けた努力を強調し、実態は異なるという印象を与えかねません。

それにもかかわらずこうした意見募集を行ったということは、一面において関係者の持つ危機感の強さを示すとともに、他面においては意見が集約された後も適宜必要な情報を発信するという方針や見通しがあることを推察させます。

その意味で、今回の投稿は関係者の今後の対応への自信を含むものであり、それだけこれからの推移がどのようなものになるか、注目されます。

[1]"過去5年間に進学実績が凋落。このことに目を瞑らず、的確な現状認識と改革への意欲を教職員が共有することが肝要です。そこで、駒場をより良くするために、フォロワーの皆様のご指摘ご提案をよろしくお願いいたします。進学校としての矜持を示すため、大胆に改革を進めてまいります。 #都立駒場 ". 東京都立駒場高等学校, 2023年6月18日, 午後4時8分, https://twitter.com/toritsu_komabah/status/1670327674336837632 (2023年6月22日閲覧).

<Executive Summary>
What Is the Meaning of the Challenge of the Tokyo Metropolitan Komaba High School? (Yusuke Suzumura)

The official Twitter account of the Tokyo Metropolitan Komaba High School posted a comment to accept public oppinion for school reform on 18th June 2023. On this occasion, we examine the meaning of this remarkable requirement.

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