「8月14日」に改めて考えたい「ポツダム宣言受諾」の意味

本日、大日本帝国が1945(昭和20)年8月14日に米国、英国、中華民国による日本への降伏要求の最終宣言、すなわちポツダム宣言を受諾してから75年が経ちました。

しかし、翌日に昭和天皇が肉声を通して国民にポツダム宣言の受諾を告げたいわゆる玉音放送が今日に至るまで注目され、8月15日が「終戦記念日」として扱われる一方で、ポツダム宣言の受諾をスイスとスウェーデンの日本公使館を通じて連合国に通知した8月14日については、例えば中学校や高等学校の歴史に関する授業でも積極的に取り扱われていないのが現状です。

ただ、日本国政府が「日本国政府カ直ニ全日本国軍隊ノ無条件降伏ヲ宣言」[1]すると同意したことは、「天皇ハ陸海軍ヲ統帥ス」[2]るとともに「天皇ハ国ノ元首」[3]であるという大日本帝国憲法第11条の規定を考えれば、大日本帝国の元首である天皇の統帥に服する「全日本国軍隊」の「無条件降伏」を受け入れたことに他ならず、決して看過されるべきものではありません。

また、日本国政府が無条件降伏を受け入れたことは、太平洋戦争が日本にとっていかなる意味を持っていたのか、あるいは何故緒戦では優勢であった対米戦が最後は多くの人命を失い、国土の荒廃を招く結果に終わったかを考える上でも重要です。

その意味でも、多くの人が「終戦から75年」と「8月15日」に注意を払うこの時期に、改めてポツダム宣言の受諾の持つ意義を考えたいものです。

[1]日本への降伏要求の最終宣言. 第十三条.
[2]大日本帝国憲法. 第十一条.
[3]大日本帝国憲法. 第四条.

<Executive Summary>
We Have to Examine again a Meaning of The Potsdam Declaration (Yusuke Suzumura)

The 14th August 2020 is the 75th anniversary of Japanese Government's acceptance of The Proclamation Defining Terms for Japanese Surrender, so-called The Potsdam Declaration on 14th August 1945. In this occasion we have to reexamine a meaning of the Potsdam Declaration, since it might be the first step for us to understand a reason of Japan's defeat at the Pacific War.

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?