NHK交響楽団ベートーヴェン「第9」演奏会

本日、14時から15時25分まで、東京芸術劇場コンサートホールにおいてNHK交響楽団の「NHK交響楽団『第9』演奏会」を鑑賞しました。

今回はベートヴェンの交響曲第9番「合唱付き」が演奏され、独唱はソプラノが森麻季、メゾ・ソプラノが加納悦子、テノールが櫻田亮、バリトンが三原剛、合唱が東京オペラシンガーズ、指揮が尾高忠明でした。

新型コロナウイルス感染症への対策のため外国人の入国が規制がされたことで、今回の演奏会では当初予定していた出演者のうちメゾ・ソプラノと合唱以外の顔触れが変更されました。

その様な中で、作品を知悉し、近年は大家の風を備えつつある尾高が的確な指示と分析、さらに楽団との良好な関係に基づき、音楽の持つ緻密で躍動感のある構成の再現を重視する演奏を行いました。

また、東京オペラシンガーズが各声部がいずれも質が揃い重厚な歌唱を披露すると、メゾ・ソプラノの加納も当初はソプラノに従いつつ次第に存在感を高め、終盤には豊かで奥行きのある表現力により独唱陣を牽引しました。

こうした中、NHK響も特に第1ホルンとチェロ及びコントラバスが要所を押さえた演奏により音楽の大きな流れを的確に表現し、最初の3つの楽章に対する聞き手の注意を惹きつけることに成功しました。

ベートーヴェンの交響曲第9番という広く知られた作品ではあるものの、出演者の変更という困難な状況を克服し、「年末恒例」の演奏会を無事に行えたことの意味は、決して小さくないと言えるでしょう。

<Executive Summary>
Stage Review: NHK Symphony Orchestra the Beethoven 9th Symphony Concert (Yusuke Suzumura)

The NHK Symphony Orchestra held the Beethoven 9th Symphony Concert at the Tokyo Metropolitan Theatre on 26th December 2021. In this time they performed Beethoven's 9th symphony. Solo soprano was Maki Mori, solo mezzo soprano was Etsuko Kanoh, solo tenor was Makoto Sakurada, solo baritone was Tsuyoshi Mihara, chorus was the Tokyo Opera Singers and conductor was Tadaaki Otaka.


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