日本国際文化学会編集委員の退任に際して

昨日、私が2017年8月1日から2期5年にわたり務めてきた日本国際文化学会の編集委員の任期が満了しました。

2020年2月から新型コロナウイルス感染症の感染の拡大が本格化する中で、学会誌『インターカルチュラル』を予定通り刊行することが出来たのは、一面では会員の先生方が様々な制約の下でも研究・教育活動を継続された結果であり、他面では編集委員長の小林文生先生(東北大学)をはじめとする編集委員の先生方の尽力の成果でした。

特に2021年3月刊行の『インターカルチュラル』第19号は、学会設立20周年記念として「私の国際文化学」と題するオンライン座談会を開催し、平野健一郎賞の歴代受賞者のその後の活動を追ったこと[1]は、「若手研究者の顕彰」という賞の趣旨に合致するだけでなく、学会が受賞者の足跡にも注意を払うことを示す、意義深い取り組みでした。

また、「コロナ禍」により編集委員の任期が1年延長されたことで、今年3月刊行の第20号の編集まで担当できたことは、私自身にとっても貴重な機会でした。

何故なら、私が日本国際文化学会への入会を決めたのは発行直後の『インターカルチュラル』第1号を法政大学図書館の閉架書庫で手にしたことが契機だったからです。

この間の経緯については、『インターカルチュラル』第20号の編集後記に以下のように記しました[2]。

大学の図書館に配架されたばかりの『インターカルチュラル』第1号が目に留まり、何気なく手にしたことが、私が日本国際文化学会に参加する契機となりました。その『インターカルチュラル』も今回で20号目を迎えました。節目の一冊の編集に今回も携われたことを、感慨深く思います。日常生活だけでなく研究活動においても「多様性の尊重」が求められる中で、創刊以来いかにして実践と理論とを橋渡しするかを重要な問いの一つとしてきた『インターカルチュラル』が50号、100号と続くことを願うところです。

これからも、『インターカルチュラル』が一層発展することを、学会員の一人として大いに期待します。

[1]稲木徹, 鴫原敦子, 趙貴花, 土屋明広, 川村陶子, 大和裕美子, 目黒志帆美, 高橋梓, 桐谷多恵子, 小林文生, 私の国際文化学. インターカルチュラル, 第19号, 2021年, 62-103頁.
[2]鈴村裕輔, 編集後記. インターカルチュラル, 第20号, 2022年, 214頁.

<Executive Summary>
Miscellaneous Impressions for the Retirement of an Editorial Board Member for "Intercultural" (Yusuke Suzumura)

I retired from an Editorial Board Member for "Intercultural" published by the Japan Society for Intercultural Society on 31st July 2022. In this occasion I remember some impressions as a member of the board.

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