NHK交響楽団第1954回定期公演

昨日は、NHK FMでNHK交響楽団の第1954回定期公演の実況中継で鑑賞しました。会場は東京芸術劇場コンサートホールでした。

今回は、前半にドヴォルザークの序曲『謝肉祭』とモーツァルトのフルート協奏曲、後半にベートーヴェンの交響曲第7番が演奏されました。フルート独奏はスタティス・カラパノス、指揮はクリストフ・エッシェンバッハでした。

いずれもよく知られた3曲に対して、緩急を自在に設定して旋律の妙味を強調したエッシェンバッハは、依然としてよりよい音楽を目指そうとする挑戦の気概を失わないかのようでした。

特に、ベートーヴェンを楽章間の休止をほとんどとらず、実質的に連続させて演奏したことは、楽章ごとの繋がりだけでなく、旋律の相互の関わりの深さを際立たせ、聞きなれた作品に活き活きとした表情を与えました。

また、フルート協奏曲はエッシェンバッハとの共演を重ねるカラパノスが、指揮者だけでなく伴奏との相性の良さも発揮し、躍動感と繊細さとを兼ね合わせた技量の高さを遺憾なく示しました。

定年が近づく第1コンサートマスターの篠崎史紀の後継者問題に対応するために今年4月1日にゲスト・アシスタント・コンサートマスターに就任した郷古廉が定期公演初出演を果たすなど、今回の公演も様々な意味で興味深い内容であったと言えるでしょう。

<Executive Summary>

Stage Review: NHK Symphony Orchestra the 1954th Subscription Concert (Yusuke Suzumura)

The NHK Symphony Orchestra held the 1954th Subscription Concert at the Tokyo Metropolitan Theatre on 9th April 2022 and broadcasted via NHK FM. In this time they performed Dvořák's "Carnival" overture, Mozart's Flute Concerto and Beethoven's 7th Symphony. Solo flute was Stathis Karapanos and conductor was Christoph Eschenbach.

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