NHK交響楽団第1943回定期公演

昨日は、19時30分から20時50分までNHK FMでNHK交響楽団の第1943回定期公演の実況中継を鑑賞しました。会場は東京芸術劇場コンサートホールでした。

今回は、ブルックナーの交響曲第4番「ロマンティック」が取り上げられました。指揮はファビオ・ルイージでした。

どのような曲を指揮しても疲れを見せず、しかも曲の勘所を押さえて外さない堅実さが持ち味であるルイージの手腕は、この日のブルックナーでも遺憾なく発揮されました。

金管楽器の力強さと木管楽器の躍動感に打楽器の重量感はもとより、弦楽器の細部まで入念に手入れされた演奏を通して、ルイージの作り上げるブルックナーは山並みかの間から差し込む太陽の光のような明朗で快活なものとなります。

ブルックナーの内省的な作品の数々の中で、「ロマンティック」という副題の印象と演奏時間の手頃さから代表的な交響曲として親しまれる第4番を取り上げ、十分な聞き応えだけでなく、新たな魅力をも引き出したのはルイージの作品への理解と音楽作りの能力の高さを改めて示すものです。

その意味で、2022年9月からパーヴォ・ヤルヴィの後任として首席指揮者に就任することが発表されてから最初の出演となったルイージの様子からは、楽団の人選の絶妙さが窺われるとともに、両者の間柄がこれからどのようなものへと発展するかが期待されました。

<Executive Summary>
Stage Review: NHK Symphony Orchestra the 1943rd Subscription Concert (Yusuke Suzumura)

The NHK Symphony Orchestra held the 1943rd Subscription Concert at the Tokyo Metropolitan Theatre on 18th November 2021 and broadcasted via NHK FM. In this time they performed Bruckner's 4th Symphony. Conductor was Fabio Luisi.

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