東京都議会選挙の告示に際して「候補者たちに求められる態度」を考える

本日、任期満了に伴い7月4日(日)に投開票が行われる東京都議会議員選挙が告示されました。

今回の選挙は今年10月までに行われる衆議院議員総選挙の前哨戦と位置づけられ、衆議院に議席を持つ各党が国政選挙並みの態勢で臨んでいます。

あるいは、小池百合子都知事の与党である都民ファーストの会の議席数がどの程度まで増減するかという点も、昨年再選された小池都知事の今後の都政運営の動向を見極める意味で重要となります。

一方、東京都は7月23日(金、祝)に開会式が行われる予定の東京オリンピックやその後開催される東京パラリンピックだけでなく、昨年以来続く新型コロナウイルス感染症対策の実施により財政調整基金の残高が2021年度末はの見通しで2837億円となり、2019年度末までの水準に比べて減少を余儀なくされるなど[1]、東京都を取り巻く財政状況は厳しさを増しています。

実際、すでに今年度の都立学校の経常経費が削減されるなど、都の財政の悪化は今後さらに都民の日々の生活に負の影響を与えることが推察されます。

そのため、いずれの党派が都議会の過半数を占めるとしても、求められるのは「小池都政への賛否」や「オリパラ問題」といった目の前の問題ではなく、今後4年間の任期中に東京都をどのような方向へと導くのかという問題への態度を明確に示すことになります。

また、各候補者は選挙期間中に東京都が抱える問題についてそれぞれの立場を明らかにするとともに「やりたいこと」ではなく「やるべきこと」への対策を具体的に示し、有権者の判断を仰がなくてはなりません。

それだけに、どのような選挙戦が行われ、いかなる結果となるか、今後の動向が注目されます。

[1]都の「貯金」2837億円に. 日本経済新聞, 2021年6月17日朝刊5面.

<Executive Summary>
What Will Be an Issue of the 2021 Tokyo Metropolitan Assembly Election? (Yusuke Suzumura)

The 2021 Tokyo Metropolitan Assembly Election is noticed on 25th June 2021. In this occasion we examine an issue of the election for all candidates.

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