『N響ザ・レジェンド』が伝えるホルスト・シュタインの多様な魅力

昨夜は、19時20分から21時までNHK FMで『N響ザ・レジェンド』を聴取しました。

今回は、「シュタインのロシア音楽」と題し、NHK交響楽団の名誉指揮者でありドイツ音楽の名手として知られたホルスト・シュタインが1990年2月2日に行われたNHK響の第1103回定期公演及び1993年11月17日の第1216回定期公演の実況録音が紹介されました。

この日取り上げられたのは、ハチャトゥリアンの組曲『仮面舞踏会』とバレエ音楽『ガイーヌ』の抜粋、ボロディンの交響曲第2番、そして、レズニチェクの歌劇『ドンナ・ディアナ』序曲でした。

4曲の中で最も印象的であったのは『ガイーヌ』で、特に「レズギンカ」は、勢いを重視する演奏が多い中で、低音の律動的な動きを強調することでかえって主旋律の音楽に躍動感と深みを与えており、シュタインの音楽作りの手際の良さと巧みさが改めて実感されました。

また、ボロディンも、文字通り掌の中で指揮棒を自在に操るシュタインならではの、緩急と抑揚を控え目にしつつ勘所を外さない演奏により、陰影の豊かな仕上がりとなっていました。

「シュタインならドイツもの」という聞き手の通念を巧みに活かした今回の企画は、改めてホルスト・シュタインの魅力が聴取者に伝えられたと言えるでしょう。

<Executive Summary>
"NHK Symphony Orchestra the Legend" Emphasises a Fascination of Horst Stein (Yusuke Suzumura)


A radio program of the NHK-FM entitled with "NHK Symphony Orchestra the Legend" was on the air on 28th November 2020. In this time records of the 1103rd and 1216th Subscription Concert of the NHK Symphony Orchestra conducted by Horst Stein.

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