ヨーゼフ・クライナー先生の第4回人間文化研究機構日本研究国際賞受賞を讃える

去る10月17日(月)、ウィーン大学名誉教授で法政大学国際日本学研究所客員所員のヨーゼフ・クライナー先生が第4回人間文化研究機構日本研究国際賞を受賞されました[1]。

この賞は、海外を拠点として、日本に関する文学、言語、歴史、民俗、民族、環境などの人間文化研究において学術上とくに優れた成果を上げ、日本研究の国際的発展に多大な貢献をした研究者を顕彰するものです。

柳田國男の謦咳に接して沖縄研究とアイヌ研究を志し、岡正雄や石田英一郎の指導を受けて日本の民俗学と民族学という「両みんぞく学」の発展に貢献するとともに、ケンペルや大シーボルトと小シーボルトをはじめとする江戸時代から明治時代にかけて活躍したヨーロッパの日本研究者の活動の検討にも大きな功績を残したのがクライナー先生です。

また、クライナー先生は、ヨーロッパ日本研究協会会長やドイツ-日本研究所所長などを歴任し、日本の国内外における日本研究の組織化と発展に大きく寄与されています。

こうした取り組みは、クライナー先生がしばしば言及する渋沢敬三の九学会連合の事績に近しい、意義深いものです。

このように、クライナー先生の活動は日本研究の国際化と進歩に重要な意味を持つものであり、今回の受賞はこれまでの取り組みを適切に顕彰するものと言えるでしょう。

私は、法政大学大学院国際日本学インスティテュートの博士後期課程の学生であった2006年以来クライナー先生の指導を受ける機会に恵まれ、今日に至っています。

それだけに、今回の受賞は、私にとってもひときわ喜ばしく、嬉しいものであり、こうした機会を通してクライナー先生の研究・教育活動がこれからも広く伝えられることが願われます。

[1]第4回人間文化研究機構日本研究国際賞受賞者の決定について. 人間文化研究機構, 2022年10月17日, https://www.nihu.jp/ja/news/2022/20221017 (2022年10月19日閲覧).

<Executive Summary>
NIHU International Prize in Japanese Studies Celebrates Professor Emeritus Dr. Josef Keriner's Achievements (Yusuke Suzumura)

Professor Emeritus Dr. Josef Kreiner won the NIHU International Prize in Japanese Studies on 17th October 2022. It is adequate commendation of Dr. Kreiner as a leading figure of the field of Japanese Studies.

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