【追悼文】中山俊宏先生について思い出すいくつかのこと

去る5月1日(日)、慶應義塾大学教授の中山俊宏先生が逝去されました。享年55歳でした。

米国政治や米国外交、日米関係などを専門とされる中山先生が、テレビや新聞などで知見を披露される様子は広く知られるところです。

私が初めて中山先生のお姿を拝見したのは、2008年の米国大統領選挙を特集する衛星第1テレビの番組『BSきょうの世界』でした。

共和党と民主党の予備選挙から本選挙へと至る節目ごとに登場し、民主党のバラク・オバマ候補への支持の広がりと強さを的確に分析し、明快に説明される様子は大変に印象的なものでした。

その後も折に触れ中山先生のお話を見分するとともに、2013年にいずれも勁草書房から出版された『雨移管・イデオロギー』と『介入するアメリカ』を買い求め、明晰な談話そのものの論考を興味深く拝読しました。

今年2月に始まったウクライナ問題でも、3月27日(日)のNHK総合の『日曜討論』や4月16日(土)にNHK World-Japanの番組"GLOBAL AGENDA"などで米国の対応を中心に情勢の分析を披露されていました。

特に"GLOBAL AGENDA"では、経済制裁の効果を巡るやり取りの中で中山先生を遮るように中国グローバル化センターの王輝耀氏が話を始めようとする中で、それを制して議論を続けた様子は、問題が中国にとって深刻な課題であることを改めて印象付けるとともに、泰然とする中山先生の議論に慣れた姿を印象深く眺めたものです。

国際学会の第一線で活躍し、積極的に発言されてきた中山俊宏先生のこれまでの学恩に感謝するとともに、ご冥福を改めてお祈り申し上げます。

<Executive Summary>
Miscellaneous Memories of Professor Dr. Toshihiro Nakayama (Yusuke Suzumura)

5Professor Dr. Toshihiro Nakayama of Keio University had passed away at the age of 55 on 1st May 2022. In this occasion I remember miscellaneous memories of Professor Dr. Nakayama.

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