NHK交響楽団第1944回定期公演
昨日、NHK FMでNHK交響楽団の第1944回定期公演を鑑賞しました。会場はサントリーホール大ホールでした。
今回は、前半にパガニーニのヴァイオリン協奏曲第1番、後半にチャイコフスキーの交響曲第5番が取り上げられました。ヴァイオリン独奏はフランチェスカ・デゴ、指揮はファビオ・ルイージでした。
パガニーニは技巧性と抒情性の高さで広く知られる作品を、独奏のデゴが正確な譜面の理解を基礎としつつ細やか緩急の揺らぎを添わせることで、聞きごたえのある演奏に仕立てました。
また、NHK響による伴奏は時に独奏と対峙し、時に独奏を支えることで豊かな背景を用意し、デゴの色鮮やかな演奏を一層際立たせました。
一方、後半の交響曲は、悠然とした作りの中で旋律と和声の妙というチャイコフスキーの持ち味を存分に描き出す、情感豊かな演奏でした。
この時効果を発揮したのは打楽器で、鋭いながらも抑制された演奏によって音楽全体が冗漫になることを防ぎ、躍動感を生み出すために大きく寄与したと言えるでしょう。
一貫して集中力を途切れさせなかった奏者たちの活躍もあり、通俗的な名曲の代表作であるチャイコフスキーの交響曲第5番の持つ多用な表情が活き活きと描き出されました。
<Executive Summary>
Stage Review: NHK Symphony Orchestra the 1944th Subscription Concert (Yusuke Suzumura)
The NHK Symphony Orchestra held the 1944th Subscription Concert at the Suntory Hall on 24th November 2021 and broadcasted via NHK FM. In this time they performed Paganini's 1st Violin Concerto and Tchaikovsky's 5th Symphony. Solo violin was Francesca Dego and conductor was Fabio Luisi.
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