「夏休みの宿題」を巡るいくつかの思い出--1991年の場合

2020年は新型コロナウイルス感染症の拡大による小中高校の一斉休講措置が取られたこともあり、地域によりすでに夏休みが終わった学校や間もなく新学期が始まる学校、あるいは例年通りの予定で夏休みを終える学校があることでしょう。

いずれの場合も、分量の差こそあれ児童、生徒の皆さんには夏休みの宿題が課され、佳境を迎え、もしくは迎えつつあることと思われます。

私の夏休みの宿題で思い出すものの一つが中学校3年生のときのことで、理科の宿題として「日本列島の天気図を1週間分書く」というものでした。

課題を見て「天気図を天気予報の放送に基づいて書く」と思った私は、9時10分からNHKラジオ第二放送の定時の気象情報を聞きながら日本全国の気象情報を書き留めました。

しかし、「与那国島、西の風、風力4」といった情報を計測地点ごとに書くのは思いのほか難儀で「これが高校受験を控えた中学3年生の宿題か」と中学3年生に課される宿題の難しさを実感しました。

そして、翌日からは対策としてあらかじめ各種の情報を書き込む表を作り、各地の内容を記入しました。こうして1週間の記入を終えるころには、気象情報を告げるアナウンサーの調子にも慣れ、「次はここ、次はあそこ」と放送される地点の順番も諳んじることが出来るほどになりました。

こうして1週間分の日本列島の天気図の情報をまとめて夏休み明けに提出したところ、受け取った理科のI先生は驚いた様子を見せました。

よくよく聞いてみると、どうやら出題の意図は「新聞に掲載されている天気図を書き写す」というものであったようでしたから、I先生が驚くのも無理からぬところではありました。

どうして間違えたのかは定かではないものの、唯一思い当たる理由が、当時NHKラジオ第二放送の『基礎英語』を聴取していたため、気象情報を耳にする機会が少なからずあったため、というものです。

いずれにせよ、私の提出した宿題が無事に受理されて思いのほか高い評価をいただいたのは有り難いものでしたし、この「間違い」のお陰で、私は少しだけ気象情報に詳しくなったのも、夏休みの宿題の思わぬ効用でした。

<Executive Summary>
Miscellaneous Memories of Summer Vacation Homework: In the Case of the Year 1991 (Yusuke Suzumura)

In Japan summer vacation in schools will end by 31st August. In this occasion I remember my memory on summer vacation homework in 1991, in which I wrote weather information by my own method.

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