衆院3補選の告示に際しわれわれは候補者にを望むか

本日、4月28日(日)に投開票される衆議院の3選挙区における補欠選挙が告示されました。

今回は、以下の通り東京都第15区に9人、島根県第1区に2人、長崎県第3区に2人が立候補しています(以下、敬称略、届け出順)。

【東京都第15区】
福永活也(諸派、新)
乙武洋匡(無所属、新)
吉川里奈(参、新)
秋元司(無所属、元)
金沢結衣(維、新)
根本良輔(諸派、新)
酒井菜摘(立、新)
飯山陽(諸派、新)
須藤元気(無所属、新)

【島根県第1区】
錦織功政(自、新)
亀井亜紀子(立、元)

【長崎県第3区】
山田勝彦(立、元)
井上翔一朗(維、新)

東京都第15区は柿沢未途氏が江東区長選を巡る公職選挙法違反の罪に問われ、長崎県第3区は谷川弥一氏が政治資金パーティー収入を巡る政治資金規正法違反で立件されてそれぞれ辞職したことに伴う補選のため、両氏が所属していた自民党は独自の候補の擁立を見送りました。

そのため、特に東京15区では有力な候補者が不在となり、各党各派がそれぞれ独自の候補を擁立しつつも有利に選挙戦を進めうるだけの支持基盤を持つ者が見当たらないのが実情です。

もちろん、1946年の第22回衆議院議員総選挙における東京都第2区のように定数12人に対して133人が立候補したため票が分散し、12人目の当選者が法定得票数に達せず再選挙になったような事態が再び生じる可能性は高くないかも知れません。

しかし、乱立ともいうべき多数の候補者が立候補する場合、他の公職選挙と同様に多くの票を獲得できることが見込めない候補者の中には、しばしば自らの知名度を向上させるための宣伝の場として選挙を捉えていることが少なくないものです。

そして、そのような候補者の掲げる公約や主張は多くの場合有権者の注意を惹くことを目的とするために過激で実現が難しいものとなりがちです。

それだけに、良識ある東京15区の有権者はそのよき判断力を善用することが期待されますし、今回の3つの補選で唯一与野党が対立する候補者を擁した島根1区も、野党第1党と第2党の争いとなる長崎3区も、充実した論戦によって有権者がよりよい選択を行えるよう、候補者が誠意ある選挙戦を行うことが不可欠となります。

<Executive Summary>
What Is the Required Element for the Candidates of Three By-Elections? (Yusuke Suzumura)

Three By-Elections of the House of Representatives of Tokyo (the 15th District), Shimane (the 1st District), and Nagasaki (the 3rd District) were notified on 16th April 2024. On this occasion, we examine the required element for all candidates of each district.

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