【追悼文】小杉隆一郎さんの訃報に接して思い出したいくつかのこと

本日、作曲家小杉太一郎の令息小杉隆一郎さんが昨年11月14日に逝去されたことが公表されました[1]。

小杉隆一郎さんについては、2012年4月に日独合作映画『新しき土』(1937年)が東京都写真美術館で上映された際、出演者の一人であった小杉勇の遺品であり、小杉と親交のあった著名な映画人や画家の書画などが記された二曲一隻の屏風が公開され、所蔵者としてお名前が記されていました[2]。

この時は、青山高校の校歌を作曲した小杉太一郎の父が小杉勇であり、その遺品を収蔵していること、「一郎」が共通していることから小杉太一郎の子息であろうというほどの理解であり、小杉隆一郎さんと直接的なかかわりを持つことはありませんでした。

ところが、東京都写真美術館での『新しき土』の上映から3年後の2015年5月16日(土)にSalidaレーベルを主宰する出口寛泰さんの仲介により、小杉隆一郎さんにお目にかかる機会を頂戴し、小杉太一郎にまつわるお話や小杉太一郎の音楽を現在に伝えるためのご自身の取り組みなどを伺うことが出来ました。

小杉隆一郎さんの朗らかで和やかな話しぶりからは、尊父であり私にとっては高校の先輩でもある小杉太一郎もこのような優しい雰囲気の人物であったのだろうと感興深く思われたものでした。

その後は、主としてSalidaレーベルの活動を通して小杉隆一郎さんの様子を知ることが出来たものの、もう一度お目にかかる前に長逝されたことは痛恨事です。

半ば忘れられかけていた小杉太一郎を21世紀に蘇らせるための多大な努力に改めて敬意を表するとともに、ご冥福をお祈り申し上げます。

[1]小杉隆一郎さん 逝去. Salida, 2022年3月30日, http://salida1.web.fc2.com/kosugiryuichirosanseikyo.html (2022年3月30日閲覧).

[2]新しき土. 東京都写真美術館, 公開日未詳, https://topmuseum.jp/contents/exhibition/movie-1634.html (2022年3月30日閲覧).

<Executive Summary>

Miscellaneous Memories of Mr. Ryuichiro Kosugi (Yusuke Suzumura)

Mr. Ryuichiro Kosugi, a son of Taichiro Kosugi, had passed away on 14th November 2021. In this occasion I remember some episodes of Mr. Kosugi.

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?