NHK交響楽団2021年5月サントリーホール公演
昨日は、18時から20時15分まで、NHK FMでNHK交響楽団の2021年5月サントリーホール公演の実況中継を鑑賞しました。
今回は、前半にハイドンのチェロ協奏曲第2番、モーツァルトの協奏交響曲、後半にドビュッシーのハープと弦楽のための舞曲「神聖な舞曲と世俗的な舞曲」、パヌフニクの交響曲第3番「神聖な交響曲」が演奏されました。独奏はハイドンがチェロの辻本玲、モーツァルトがオーボエの吉村結実、クラリネットの伊藤圭、ファゴットの水谷上総、ホルンの福川伸陽、ドビュッシーはハープの早川りさこ、そしてパヌフニクはトランペットの菊本和昭、長谷川智之、安藤友樹、山本英司、指揮は尾高忠明でした。
取り上げた4曲の全てに独奏者が登場し、合計10名の団員が独奏を担当するのは、NHK響の定期公演ないし定期公演に準ずる各月の公演としては珍しい曲目が並びました。
4曲はいずれも聞きごたえがあり、特に第1曲目のハイドンのチェロ協奏曲第2番が最も印象的で、独奏を担当した辻本玲の手腕の確かさが実感されました。
また、第2曲目のドビュッシーも、いつもは伴奏を務める早川りさこのハープの妙技を堪能できた、よい選曲でした。
モーツァルトとパヌフニクは、いずれもNHK響にとっては演奏経験の豊かな作品ではないだけに幾分か硬さが残ったものの、前者の軽やかな微笑みと、後者の無機質さと人間味の入り混じる様子が表現された点は、一人ひとりの独奏者の手腕とあわせて、大いに注目すべきものでした。
定期公演が中止となっていなければ休止のはずであったAプログラムが、新型コロナウイルス感染症の影響で2021年5月サントリーホール公演として「復活」したことで、通常のAプログラムでは体験できない挑戦的な公演となったことは、逆境の中でも創造性を発揮しようとする楽団の意欲が現れており、その点でも意義深いものであったと言えるでしょう。
<Executive Summary>
Stage Review: NHK Symphony Orchestra May Concert at the Suntory Hall (Yusuke Suzumura)
The NHK Symphony Orchestra held the May Concert at the Suntory Hall and broadcasted via NHK FM on 15th May 2021. In this time they performed 4 pieces including Haydn's Cello Concerto and Panufnik's 3rd Symphony "Sinfonia sacra". There were 10 soloists who are a member of the NHK Symphony Orchestra and conductor was Tadaaki Otaka.
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