NHK交響楽団第1979回定期公演

昨日は、NHK交響楽団の第1979回定期公演をNHK FMの実況中継で鑑賞しました。会場はサントリーホールでした。

今回は、前半にドヴォルザークの序曲『フス教徒』とシマノフスキの交響曲第4番「協奏交響曲」、後半にブラームスの交響曲第4番が演奏されました。ピアノ独奏はピョートル・アンデルシェフスキ、指揮はヤクブ・フルシャでした。

「交響曲第4番」という点は共通ながら、時に幻想的で時にポーランドで伝承されてきた音楽の要素を活用したシマノフスキと、厳密な構成の下ではかなさと力強さとを描き出すブラームスとは、自ずから性格が異なります。

一方で、はかなく物憂げな表情は両者に共通しており、前者はアンデルシェフスキの寸分たがわぬ演奏により、そして後者はフルシャの全体に節回しを短めにする音楽作りにより、この点が一層強調されることになりました。

特にシマノフスキについては、第1楽章の冒頭でアンデルシェフスキの演奏を受けた伴奏の立ち上がりが弱く、1小節の間演奏者が手探りの様子となったことは、演奏経験の有無が影響したことが窺われます。

それでも、本作をひときわ重視するアンデルシェフスキを独奏に迎えたことは人を得ており、作品の輪郭をより一層あざやかに際立たせるばかりでなく、取り上げられる機会の少ないシマノフスキの「協奏交響曲」の演奏のためには不可欠な選択であったと言えるでしょう。

ドヴォルザークの躍動感あふれる演奏と合わせて、2022-2023シーズンの前半の最後を飾るにふさわしい、今回の公演であったと言えるでしょう。

<Executive Summary>
The NHK Symphony Orchestra the 1979th Subscription Concert (Yusuke Suzumura)

The NHK Symphony Orchestra held the 1979th Subscription Concert at the Suntory Hall and broadcasted via the NHK FM on 15th February 2023. In this time they performed Dvorak's Hussite Overture, and Szymanowski's 4th Symphony, and Brahms' 4th Symphony. Solo piano was Piotr Anderszewski and conductor was Jakub Hrůša.

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