【追悼文】後藤尚雄さんについて思い出すいくつかのこと

去る6月15日(水)、朝日新聞社の元常務取締役で日本対がん協会の前理事長である後藤尚雄さんが逝去しました。享年68歳でした。

後藤さんは社会的には朝日新聞社の経済記者としての活躍が広く知られています。一方、東京都立青山高等学校を1972年3月に卒業した後藤さんは、私にとっては同窓の先輩にあたり、青山高校同窓会の会長と事務局長という間柄でもありました。

私が初めて後藤さんに青山高校度総会の運営への参画をお願いしたのは2014年4月30日のことで、この時はたの同窓会役員とともに、プレスセンタービルでお目にかかったのがつい最近の出来事のように思い出されます。

その後、後藤さんは同窓会副会長を経て2015年に会長に就任し、青山高校創立80周年を記念した在校生向け奨学金制度の創設や任意団体であった同窓会の一般財団法人化など、会の近代化と永続性のある運営体制の確立に尽力されました。

一方、新聞記者として培った情報収集の能力や対象から話を引き出す手腕は、同窓会の運営にも遺憾なく反映されました。

特に2020年8月20日に発行された同窓会報第29号の特集記事「校歌誕生――苦難の歩みから新しい時代へ」[1]は、1959年に制定された青山高校校歌について誕生の経緯を当時の関係者に取材した、校歌の来歴だけでなく、青山高校の学校史の点でも意義深い、重厚な一篇でした。

あるいは、会議の席上でも様々な意見に耳を傾けつつよりよい解決方法を見出そうとするのも、大いに参照すべき組織の長としての姿でした。

改めてこれまでのご教導に感謝するとともに、ご冥福をお祈り申し上げます。

[1]後藤尚雄, 校歌誕生――苦難の歩みから新しい時代へ. 外苑会会報, 第29号, 2020年, 4-5頁.

<Executive Summary>
Miscellaneous Memories of Mr. Hisao Goto (Yusuke Suzumura)

Mr. Hisao Goto, the Representative Director of the Gaienkai, had passed away at the age of 68 on 15th June 2022. In this occasion I remember miscellaneous memories of Mr. Goto.

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