ザルツブルク音楽祭2021

去る1月17日(月)から20日(木)まで、NHK FMの『ベストオブクラシック』では「ザルツブルク音楽祭2021」と題し、昨年7月17日から8月31日にかけて開催されたザルツブルク音楽祭から4つの公演を取り上げました。


第1日目は「ギドン・クレーメルと仲間たち」として、ギドン・クレーメルらによる室内楽が紹介されました。取り上げられらのはペルトの『フラトレス』、ブゾーニのヴァイオリン・ソナタ第2番、そしてラフマニノフのピアノ三重奏曲第2番で、いずれも細部まで彫琢された絶妙な演奏を堪能する事が出来ました。


ダニエルとミヒャエルのバレンボイム親子の共演を中心とした第2日目は、ミヒャエル・バレンボイムがヴァイオリン独奏を務めたブラームスのヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲の充実した内容もさることながら、フランクの交響曲の悠揚迫らざる演奏に、ダニエル・バレンボイムの指揮者としての成熟ぶりが遺憾なく発揮されていました。


第3日目ではジェラルド・フィンリーが得意のシューベルトの歌曲を披露した様子が紹介されました。いずれも伸びやかで情感豊かな歌声は聞きごたえがあり、特に『白鳥の歌』はフィンリーの濃密さと繊細さが同居し、陰影に富んだ歌唱がよく伝わるものでした。


特集4日目は「ガーディナー、シューマンを振る」という題名の下、ジョン・エリオット・ガーディナーの指揮による『ミニョンのためのレクイエム』、『夜の歌』、『マンフレッド』と、シューマンの3作品の実況録音が紹介されました。いずれもガーディナーの端正な音楽作りを堪能できたひと時で、特に『マンフレッド』の起伏に富んだ演奏は聞きごたえのあるものでした。


新型コロナウイルス感染症対策を講じながら開催された昨年のザルツブルク音楽祭は、公演の選択の妙もあり、ひときわ印象深いものとなりました。


<Executive Summary>
The Salzburg Festival 2021 (Yusuke Suzumura)


The Salzburg Festival 2021 was held from 917 July to 31st August 2021 and broadcasted via NHK FM from 17th to 20th January 2022. In this time we enjoyed listening various performances during the festival period.

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?