開幕1週間前に考える「北京五輪への興味と関心の高まりの可能性」

2月4日に開幕する冬季オリンピック北京大会まで、あと1週間となりました。

個別の競技や選手に対する興味や関心の高まりはあっても、日本国内において大会そのものへの注目の度合いは必ずしも高いようには見えません。

もちろん、昨夏のオリンピックは日本で開催されたのですから、関心の有無にかかわらず絶えず五輪の情報に接したことを考えれば、他国での開催となる北京大会への関心が相対的に低くなるとしても不思議ではありません。

また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により会期が1年延長されたために、夏と冬の違いこそあれ2年連続でオリンピックが開催されることになり、オリンピックへの関心が薄まるということもあるでしょう。

あるいは、東京大会の開催の時期や形式のあり方について、国際オリンピック委員会(IOC)が自らの利益を最優先するかのような対応を行ったことで、IOCやオリンピックに対する人々の信頼性が低下したことも推察されます。

さらに、開催国である中国に対し、米国を中心とする一部の国が人権上の問題を指摘して政府高官などの派遣を見送るいわゆる外交ボイコットを行う計画であることから、北京大会の正当性や事態を静観することで間接的に中国を支持する姿勢を示すIOCの態度に不満を持つ人々がいるであろうことも、容易に想像されます。

何より、今回は「コロナ対策」を最優先課題とする中国当局の意向もあり、観客は中国国内の居住者に限定されたことで、過去の大会であれば催行されていた日本からの「観戦ツアー」が取りやめになったことも、より幅広い層が関心を抱く機会を失ったと言えるでしょう。

このように考えれば、現在の北京大会を取り巻く状況はある意味で起きるべくして起きているということが分かります。

実際には大会が始まれば各種の報道が連日行われ、一般の関心は自ずから高まることでしょう。

それだけに、2月20日までの会期とその後に、北京大会への関心と評価がどのようなものになるか、注目されるところです。

<Executive Summary>

What Kind of Interest Can We have in the Beijing Olympics? (Yusuke Suzumura)

The 4th February, 2022 is the opening day of the Beijing Olympics. In this occasion we examine a possibility with which we will be able to have more positive interest to the Beijing 2022.

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