NHK交響楽団第1955回定期公演

昨日、NHK FMでNHK交響楽団の第1955回定期公演の実況中継を鑑賞しました。会場は東京芸術劇場コンサートホールでした。

今回は、マーラーの交響曲第5番が取り上げられ、指揮はクリストフ・エッシェンバッハでした。

5楽章からなり、第1部(第1、2楽章)、第2部(第3楽章)、第3部(第4、5楽章)の3部構成が採用され、葬送行進曲で始まり歓喜のうちに終わるという特徴は、広く知られるところです。

2021-2022楽季のCプログラムは休憩時間を設けず、マーラーのような比較的演奏時間の長い作品の場合には、1曲のみが取り上げられています。

そのため、第1楽章の序盤では奏者の間に一種の手探りの感覚が残り、ややこわばりつつ音楽が展開されました。

しかし、NHK響は粘り強い演奏を披露し、特に金管楽器は随所に現れる難所によく向き合い、第5楽章のコーダは作品の締めくくりにふさわしい奥行のある内容に仕上げました。

また、全体の構成を踏まえ、起伏に富む作品の輪郭を明瞭に描くことで音楽を牽引しつつ、細部に余白を持たせることで最終的に各奏者の創意を引き出すことに成功したのは、エッシェンバッハの熟練した手腕がよく発揮された結果でした。

その意味で、Cプログラムの趣旨と特徴、さらに現実的な問題点のあり方と課題を克服するための具体的な方法の一つが改めて示されたと言えるでしょう。

<Executive Summary>
Stage Review: NHK Symphony Orchestra the 195tth Subscription Concert (Yusuke Suzumura)

The NHK Symphony Orchestra held the 195tth Subscription Concert at the Tokyo Metropolitan Theatre on 15th April 2022 and broadcasted via NHK FM. In this time they performed Mahler's 5th Symphony. Conductor was Christoph Eschenbach.

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