【参加報告】EToSシンポジウム「異域から国土へ」

昨日は17時30分から19時30分まで、法政大学江戸東京研究センター(EToS)のシンポジウム「異域から国土へ」がオンライン形式で開催されました。

今回はEToS兼担研究員で法政大学文学部地理学科の米家志乃布先生が今年5月に『近世蝦夷地の地域情報 日本北方地図史再考』(法政大学出版局)を上梓されたことを受け、同書の内容に基づきながら未掲載の図版などを紹介しつつ、日本における北方地域の地図の発展の過程が検討されました。コメンテーターは森田喬先生(法政大学)と横山泰子先生(法政大学)でした。

米家先生の報告では、地図などの視覚的な情報によって「国土」が形成されることが北海道を例に豊富な図版資料を用いながら詳述されるとともに、物理的な土地としての国土とは別に、国土を認識するためには地図などの共通の手段が必要であること、さらに科学的あるいは正確さを最優先する近代以降の地図に比べ対象となる地域のあり方を想起しやすい景観図としての北方地図の意義などが検討されました。

現在、われわれにとっては「目的に到達するための手段」、あるいは「情報が正確に記されているもの」と考えられている地図について、正確さだけではなく様々な用途や性格があったことを確認できた、意義深い機会となりました。

<Executive Summary>
EToS' Symposium "From Foreign Area to National Territory" (Yusuke Suzumura)

The Hosei University Research Center for Edo-Tokyo Studies held a symposium entitled "From Foreign Area to National Territory" via Zoom on 4th August 2021.


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?