「自民党女性局のフランス研修問題」の問題点は何か

昨日、自民党の松川るい参議院議員がSNSに投稿した写真が不適切であったとして、一部の内容を削除しました[1]。

問題となったのは、自民党女性局に所属する国会議員や地方議員ら38名が行ったフランスへの研修中に撮影したとされる写真で、エッフェル塔の前で塔を真似て両手を頭の上で合わせる格好をした様子が批判を受けました[1]。

確かに、観光旅行のような写真を不特定多数が目にするSNSに投稿した点には改善の余地がありますし、前後の脈絡を承知せず写真のみを目にすれば、見るものが顰蹙するのも無理からぬところです。

それだけに、松川氏は「この投稿がどのように見られるか」という点への顧慮を欠いていたと言わねばなりません。

その一方で、今回の一件をもって国会議員などの海外視察を不要としたり、「国民が増税や物価高で困窮しているのに」といった批判を行うことは性急なものです。

何故なら、どれほど情報技術が発達しても現地へ行かなければ了解できない事柄は数多くありますし、関係者と直接会って意見を交換することは人的な交流を実現し、維持するためにも不可欠だからです。

むしろ、国会議員などの海外視察が必要か否かは、それぞれの取り組みの成果がどのように政策に反映されているかを検証した後に判断されるべきであり、そのような措置なしに要不要を論じることは別な問題を生じることになりかねません。

それだけに、議員たちには今後も委縮することなく海外視察を実施し、現地で得た知見を実際の政策に役立てることが求められるとともに、われわれも批判すべきは批判し、進めるべきは進めるという態度を失ってはならないのです。

[1]自民フランス研修、批判受け写真削除. 朝日新聞, 2023年8月1日朝刊29面.

<Executive Summary>
What Is a Meaning of an Overseas Visit of the Women's Affairs Division of the LDP? (Yusuke Suzumura)

House of Councillors Member Rui Matsukawa of the Liberal Democratic Party (LDP) deleted a post for the SNS and apoligised inadequate activities during their observation to Paris as the Women's Affaris Division of the LDP's overseas visit. On this occasion, we examine a meaning of this issue.

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