水原一平被告が罪を認めたことはいかなる意味を持つか

現地時間の6月4日（火）、大谷翔平選手の前通訳であった水原一平被告が米国カリフォルニア州サンタアナの連邦地方裁判所に出廷し、大谷選手の銀行口座から預金を盗んで不正に送金したとする銀行詐欺と取得した金銭の申告を行っていなかった脱税の2つの罪状について有罪を認めました[1]。

報道によれば、この2つの罪状は最長で懲役33年となります。

ただし、検察側は水原被告との司法取引に基づき減刑を要請することになり、量刑は現地時間の10月25日（金）に言い渡される予定です。

一方、水原被告が罪を認めたことで大リーグ機構は大谷選手が詐欺の被害者であるとみなし、本件が終結した旨を表明するとともに[2]、大谷選手も当局が徹底的かつ効果的な捜査を迅速に終え、すべての証拠を明らかにしてくれたことに心から感謝するという趣旨の声明を発表しました[1]。

これで、球界を震撼させた水原一平被告による巨額の詐欺事件は終結することになります。

今回の一件では、騙そうとする側がいかに巧妙、狡猾に騙される側や周囲に接するかが改めて示されました。

それとともに、隠された意図を把握できない限りこのような詐術を見抜くことが難しいだけでなく、真実が隠匿されたままとなる可能性も否定できないことが推察されました。

昨日、水原被告が罪を認めたことで本件は終了するものの、その教訓は大きなものであり、今後も意味を失うものではありません。

それだけに、水原被告の一件から何を学び、何を今後への備えとするか、試されているのはわれわれであると言えるでしょう。

[1]Ippei Mizuhara, ex-interpreter for Shohei Ohtani, pleads guilty ESPN, 4th June 2024, https://www.espn.com/mlb/story/_/id/40277006/ippei-mizuhara-ex-interpreter-shohei-ohtani-pleads-guilty (accessed on 5th June 2024).
[2]Mizuhara pleads guilty to fraud charges; MLB closes investigation. MLB.com, 4th June 2024, https://www.mlb.com/news/ippei-mizuhara-guilty-plea (accessed on 5th June 2024).

<Executive Summary>
What Is the Meaning of Ippei Mizuhara's Pleading Guilty? (Yusuke Suzumura)

Ippei Mizuhara, the tx-interpreter for Shohei Ohtani, pleads guilty at the Court of Santa Ana on 4th June 2024. On this occasion, we examine the meaning of the case as our lesson.