『N響ザ・レジェンド』の特集「アニバーサリー・イヤーを迎える作曲家たち」が持つ大きな意義

昨夜は、19時20分から21時までNHK FMで『N響ザ・レジェンド』を聴取しました。

今回は2021年の最初の放送ということで、「アニバーサリー・イヤーを迎える作曲家たち」と題して放送されました。

取り上げられたのは、没後100周年のフンパーディンク、生誕150周年のツェムリンスキー、そして没後50周年のストラヴィンスキーで、それぞれ歌劇『ヘンゼルとグレーテル』前奏曲、交響詩『人魚姫』、バレエ音楽『ペトルーシュカ』が紹介されました。音源は、フンパーディンクが1987年12月4日のベリスラフ・クロブチャールの指揮、ツェムリンスキーが2004年6月11日のエマニュエル・クリヴィヌの指揮、ストラヴィンスキーが1975年1月29日のミヒャエル・ギーレンの指揮による演奏でした。

いずれも聞き映えのする内容ながら、とりわけツェムリンスキーについては、録音が行われた2004年6月11日の第1517回定期公演を会場で鑑賞しており、クリヴィヌの繊細で品のある指揮ぶりを堪能しただけに、改めて当時の様子が思い出されました。

ところで、2021年に節目の年を迎える作曲家は、今回取り上げられた3人の他にも没後100周年のサン=サーンス、生誕150周年のステンハンマル、生誕100周年のピアソラやアーノルドなどがいます。

アーノルドはNHK交響楽団の定期公演やその他の各種の公演で取り上げた機会がなかったように思われるだけに、紹介は難しいことが推察されます。

しかし、その他の作曲家については定期公演で演奏しており、ステンハンマルなどは2019年11月の第1925回定期公演でヘルベルト・ブロムシュテットの指揮、マルティン・ステュルフェルトの独奏によりピアノ協奏曲第2番が取り上げられているため、いずれ「アニバーサリー・イヤーを迎える作曲家たち」の続編の放送が期待されるところです。

もとより、「アニバーサリー・イヤー」そのものに意味はなく、単なる数字の区切りに過ぎないかも知れません。

それでも、こうした機会を捉えて普段は取り上げられにくい作曲家や作品が紹介される意義は小さくないと言えます。

それだけに、今後の放送に注目したいところです。

<Executive Summary>
"NHK Symphony Orchestra the Legend" Emphasises a Meaning of a Composer's Anniversary Year (Yusuke Suzumura)

A radio program of the NHK-FM entitled with "NHK Symphony Orchestra the Legend" was on the air on 9th January 2021. In this time records of composers who mark an anniversary in the year of 2021.

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