相良匡俊先生とのある思い出――没後満7年に際して

本日、法政大学社会学部名誉教授の相良匡俊先生が2013年7月24日(水)に逝去されてから満7年を迎えました。

私は相良先生から直接のご指導を受ける機会こそなかったものの、法政大学大学院国際日本学インスティテュートや法政大学国際日本学研究所で謦咳に接してきたことは、すでに本欄で紹介した通りです[1]-[5]。

そこで、今回もささやかな思い出を一つご紹介しいたします。

私が法政大学大学院国際日本学インスティテュート政治学研究科政治学専攻博士課程を修了し、博士(学術)の学位を授与されたのは2008年3月24日(月)のことでした。

法政大学大学院棟での学位記授与式が終わり、祝賀会が行われるまでのわずかな時間を国際日本学インスティテュート室で過ごしていると、相良先生が入室されました。

相良先生からはお祝いの言葉をいただき、私がこれまでの助言などに対するお礼を申し上げた後、しばしの間雑談となりました。

このとき、話題の中心は自ずから私の進路となりました。もちろん、4月から私が法政大学国際日本学研究所に客員学術研究員として所属することは相良先生もご存じでしたから、ここでの進路とは、「その後をどうするか」ということに他なりません。

実現するか否かは別として、私が自分なりの計画と見通しをお話しすると、相良先生は教員の採用を巡る最新の動向などを教えて下さった後に、次のようにおっしゃいました。

今、日本の大学で「国際日本学」という枠で専任の教員を採るところはほとんどない。あなたの場合は哲学や政治学というのもあるだろうけれど、「国際日本学」でと思うのだったら、あと10年は頑張らないといけない。

相良先生は「10年」と言うことで、私に不断の努力を促されたのでしょう。

しかし、その後、「国際日本学」という区分による専任教員の公募に接したのが2018年であり、2019年4月から「国際日本学」の担当として名城大学に着任したのですから、相良先生の激励は、確かに10年を経て実を結んだことになります。

それだけに、折に触れて相良先生の慧眼に感服するとともに、お礼を伝える機会をついに失ってしまったことが、改めて残念に思われる次第です。

[1]1 鈴村裕輔, 【追悼】相良匡俊先生とのいくつかの思い出. 2013年7月25日, https://researchmap.jp/blogs/blog_entries/view/76353/a57a40d9934df9150238894c59527401?frame_id=435622 (2020年7月24日閲覧).
[2]鈴村裕輔, 相良匡俊先生の「最後の伝言」. 2013年7月26日, https://researchmap.jp/blogs/blog_entries/view/76353/a0e789d3a16ec18fc412b7e8476be5dd?frame_id=435622 (2020年7月24日閲覧).
[3]鈴村裕輔, 相良匡俊先生とのある思い出--没後1周年に際して. 2014年7月24日, https://researchmap.jp/blogs/blog_entries/view/76353/b2a37aa3155f69dc8d13d9034799ff20?frame_id=435622 (2020年7月24日閲覧).
[4]鈴村裕輔, 相良匡俊先生とのある思い出――没後満三年に際して. 2016年7月25日, https://researchmap.jp/blogs/blog_entries/view/76353/685831c2853003d1122464871a573755?frame_id=435622 (2020年7月24日閲覧).
[5]鈴村裕輔, 相良匡俊先生とのある思い出――没後満4年に際して. 2017年7月26日, https://researchmap.jp/blogs/blog_entries/view/76353/e0b6672e229e4cdac7f193681cac3b8e?frame_id=435622 (2020年7月24日閲覧).

<Executive Summary>
One of Remarkable Memories of Professor Emeritus Masatoshi Sagara (III) (Yusuke Suzumura)

On 24th July 2020, 7 years have passed since Professor Emeritus Masatoshi Sagara of Hosei University had passed away at the age of 72 on 24th July 2013. On this occasion I remember my personal memory with Professor Emeritus Sagara.

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