「東海大野球部の大麻使用問題」の持つ意味は何か

昨日、東海大学が記者会見を行い、硬式野球部の寮で複数の部員が大麻の疑いのある薬物を使用したことが確認されたとして、同部を無期限の活動停止処分としたことを発表しました[1]。

大学が設置した調査委員会による聞き取り調査の結果、大麻の使用認めた野球部員は、動機について「興味本位だった」と話したとされています[1]。

人が「暇だから大麻を使用しよう」となることはまれですから、「興味本位」という動機は、真実に近い理由であることが推察されます。

近年、20歳代を中心に、若者が大麻の所持により摘発される事例が増加しており、大学生も2019年には2015年の4倍超となる132人が摘発されています[2]。

警察庁の分析によれば、SNSなどを通じて入手する動きが広がっているとされており[2]、今回の件も社会的な状況の変化が背景の一端をなしている可能性があります。

今回、東海大学は硬式野球部に対して無期限の活動停止処分を下しました。

事柄の重大性に鑑みれば相応の処置であると考えられます。

それとともに、東海大学を含む各大学が様々な形で違法薬物の利用の危険性を訴える啓蒙活動を行っていることを考えれば、今後も各校はこれまで以上に関係諸機関と連携しながら、危険性の啓発に力を注ぐことが求められると言えるでしょう。

[1]東海大野球部 寮で大麻. 日本経済新聞, 2020年10月18日朝刊27面.
[2]大麻で摘発の若者増加. 日本経済新聞, 2020年10月18日朝刊27面.

<Executive Summary>
What Is a Meaning of Tokai University's "Drug Incident"? (Yusuke Suzumura)

Tokai University announced that they suspended the baseball club by the reason of using cannabis on 17th October 2020. It might be remarkable opportunity for Tokai University and other universities to tighten up their policy for the students to enlighten a risk of using illegal drugs.

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