亀井聖矢さんの「ロン=ティボー国際コンクールピアノ部門での第1位受賞」の一報に接して思い出したいくつかのこと

去る11月13日(日)、ロン=ティボー国際コンクールのピアノ部門の最終選考が行われ、亀井聖矢さんが第1位、重森光太郎さんが第4位に選ばれました。

日本人が第1位となるのは、2019年の三浦謙司さん以来2大会連続7人目となります。

私が亀井さんのお名前に初めて接したのは、2020年4月26日(日)にNHK FMで放送された『リサイタル・パッシオ』でした。

このときは、バッハの『平均律クラヴィーア曲集』第1巻から「前奏曲とフーガ」第3番、リストの『ノルマの回想』と『パガニーニによる大練習曲』から「ラ・カンパネラ」が演奏されました[1]。

わずか3曲ばかりではあったものの、鋭い指使いの中に温かさを感じさせる演奏からは、亀井さんの今後の活躍が期待されたものでした。

実際、司会の金子三勇士さんとの対談の中でも、「いずれは国際コンクールでの優勝を」と抱負を語る亀井さんの言葉に頷く金子さんの様子は、その将来を大いに嘱望するかのようでした。

すでに2019年の第88回日本音楽コンクールで第1位を獲得していたとはいえ、これから世界的な活躍を目指す有為の演奏者の最新の動向を知ることが出来たのは喜ばしいことでしたし、企図を見事に実現した亀井さんの努力も素晴らしいものです。

改めて、亀井聖矢さんの快挙を祝福するとともに、今後の一層のご活躍を祈念する次第です。

[1]鈴村裕輔, 『リサイタル・パッシオ』で思ったいくつかのこと. 2020年4月27日, https://researchmap.jp/blogs/blog_entries/view/76353/1a39fc892c6a50cefb9d1d1beb283498?frame_id=435622 (2022年11月15日閲覧).

<Executive Summary>
Miscellaneous Impressions for Mr. Masaya Kamei's Achievements at the Long-Thibaud Competition (Yusuke Suzumura)

Mr. Masaya Kamei won the 1st Prize at the Long-Thibaud Competition Piano 2022 on 13th November 2022. On this occasion I remember miscellaneous impressions of Mr. Kamei when he appeared at the NHK FM's programme "Recital Passio" broadcasted on 26th April 2020.

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