『ボルテスV』にまつわるいくつかのこと

本日、フィリピンで製作されたテレビアニメ『超電磁マシーン ボルテスV』の実写版が今年10月18日から映画として劇場公開されることになりました[1]。

『ボルテスV』といえば本放送は1977年6月4日から1978年3月25日まででした。そのため、当時1歳前後であった私は本放送は視聴していません。

私が『ボルテスV』を視聴するのは5歳の時の1982年5月から、夕方5時30分にテレビ朝日で始まった再放送でした。

このとき特に印象的であったのは堀江美都子さんが歌唱するはじめの歌の前奏で、躍動的で律動感のある旋律は、耳にするだけで心躍ったものです。

また、主人公の健一が宿敵プリンス・ハイネルと画面を飛び交いながら格闘する様子も、印象深いものでした。

私が子どもの頃はテレビ各局はいずれも日中や夕方に過去のアニメ番組の再放送を行っており、『ボルテスV』も『コンバトラーV』の再放送が終わったすぐ後に放送開始と本放送の際と同じ並びになっていたものです。

現在では地上波のテレビ欄を見ても、キー局ではこうした措置はなく、地方局が時折前後していた番組を続けて放送する程度です。

しかし、オンラインでの配信の普及という現在の状況を考えると、同じ役割を担う媒体が変わっただけであり、特段驚くべきことではないと言えるかもしれません。

ところで、『コンバトラーV』や『ボルテスV』には、今もお世話になっています。

すなわち、私の担当科目の一つである「日本の先端文化」では、これらの作品において主人公たちが基地から各機体に搭乗して出撃する際の一連の流れが『サンダーバード』の場面の変奏であり、日本のロボットアニメや特撮の発展を考える際に外国のテレビ番組の影響を検討することが重要であるという趣旨の参考例として取り上げているからです。

日本のテレビアニメや特撮における外国の番組の影響は決して小さいものではないことは、例えば『超時空要塞マクロス』の「冥王星軌道付近から地球への帰還」という設定を参照するだけでも明らかです。

これは、英国で製作されたテレビドラマ"SPACE 1999"の響き合いを認めることが出来ますし、『ウルトラセブン』のマグマライザーと『サンダーバード』のジェットモグラ、あるいは『機動戦士ガンダム』におけるジオン公国の戦艦ムサイと米国のテレビドラマ『スタートレック』のエンタープライズ号なども、対象の模倣と変容という点で重要な手掛かりを与えます。

るだけに、いずれこうした関係をまとまった形に仕上げたいと思い思いするところです。

[1]映画『ボルテスV レガシー』“超電磁編集版”が10月18日(金) 劇場公開決定!!. 東映, 2024年6月4日, https://voltes-v-legacy.jp/news/44/ (2024年6月4日閲覧).

<Executive Summary>
Miscellaneous Impressions of Voltes V (Yusuke Suzumura)

The movie version of Voltes V broadcast via TV Asahi in 1976 to 1977 is created in Philippines and will be screened in October 2024. On this occasion, I remember miscellaneous impressions of Voltes V.

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