NHK交響楽団2021年2月NHKホール公演

昨夜は、18時から20時まで、NHK FMでNHK交響楽団の2021年2月NHKホール公演を聴取しました。

今回は前半に武満徹の『3つの映画音楽』、ショスタコーヴィチのチェロ協奏曲第1番、後半にシベリウスの交響曲第1番が取り上げられました。チェロ独奏は横坂源、指揮は尾高忠明でした。

この日の3曲中で最も印象的であったのはショスタコーヴィチで、横坂源のチェロの滑らかで奥行きのある演奏は、技巧性と諧謔さとが求められる譜面を伸びやかに弾きこなしていました。

横坂はこれまでにNHK交響楽団の依頼公演での共演はあったものの、主催公演に初めての出演となりました。今回の演奏からは、NHK交響楽団の定期公演が再開された後に定期的に出演することが期待されました。

また、シベリウスの交響曲第1番は、全体的に緩やかな速度により各旋律をふくよかに響かせるとともに、「低音がしっかりすればシベリウスらしくなる」という朝比奈隆の言葉を思い起こさせる尾高忠明の指揮により、泰然とした仕上がりとなっていました。

これまで、どちらかと言えば線の細さが勝っていた尾高も、新たな境地に手をかけているかのようでした。

第1曲目の『3つの映画音楽』は2010年の第1666回定期公演以来11年ぶりとなる演奏で、1996年2月の逝去から25年という節目にふさわしい選曲になったと言えるでしょう。

<Executive Summary>
Stage Review: NHK Symphony Orchestra February Concert at the NHK Hall (Yusuke Suzumura)

The NHK Symphony Orchestra held the December Concert at the NHK Hall and broadcasted via NHK FM on 6th February 2021. In this time they performed Takemitsu's Three Film Scores, Shostakovich's 1st Cello Concerto, and Sibelius' 1st symphony. Solo cello was Gen Yokosaka and conductor was Tadaaki Otaka.

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