NHK FMの特集『グリュミオー変奏曲』の持つ大きな意義

去る12月6日(月)から9日(木)まで、NHK FMで『グリュミオー変奏曲』が4回にわたり放送されました。

これは、今年3月21日に生誕100年を迎えたベルギー出身のバイオリン奏者アルテュール・グリュミオーを讃え、グリュミオーに師事した豊田弓乃先生と音楽評論家の増田良介さんがそれぞれの視点から実際の演奏とともにその魅力を紹介しました。

協奏曲、室内楽、ソナタ、無伴奏曲などを通して描かれるのは、技量の正確さと情感の豊かさを備えるグリュミオーの姿です。

それとともに、躍動感に溢れる実況録音も、実際には「緊張する」「嫌いだった」という逸話などは、グリュミオーの傍らにあって薫陶を受けた豊田先生ならではのもので、グリュミオーの人柄をより鮮やかに伝えるものでした。

もとより、グリュミオーが残した録音は数多く、今も様々な音源を通してその芸術を堪能することができます。

それでも、陰影の深い雰囲気がありながら実際には人間味豊かな生涯を送ったことの分かる内容は、生誕100年の節目にふさわしい放送でした。

こうした形でグリュミオーの音楽が広く紹介されることの意義は、実に大きいと言えるでしょう。

<Executive Summary>
Miscellaneous Impressions of a Radio Programme "Variations of Arthur Grumiaux" (Yusuke suzumura)

The NHK FM Radio broadcasted a feature programme "Variations of Arthur Grumiaux" from 6th to 9th December 2021. In this occasion I express miscellaneous impressions of the programme.


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