NHK交響楽団11月サントリーホール公演

昨夜は、NHK FMでNHK交響楽団の11月サントリーホール公演の実況中継を聴取しました。

今回は、原田慶太楼の指揮によるアメリカ音楽特集で、前半にバーンスタインの『オン・ザ・タウン』から「3つのダンス・エピソード」」、ウォーカーの『弦楽のための抒情詩』、ピアソラの『タンガーソ』、後半にコープランドのバレエ『アパラチアの春』組曲、マルケスの『ダンソン』第2番が演奏されました。

私がこれまで聞いたNHK響によるアメリカ音楽の演奏で最も印象的なのは1995年4月の第1261回定期公演で、この時はローレンス・フォスターの指揮により猪俣猛がドラムスを担当したバーンスタインのミュージカル『ウェストサイド物語』から「シンフォニック・ダンス」は、躍動感と勘所を押さえた節回しは聞きごたえのあるものでした。

この日の演奏も、フォスターの快活な演奏に勝るとも劣らない、緩急に富むしなやかな仕上がりとなっていました。

特にマルケスの『ダンソン』第2番は、NHK響の機動力と豊かな音量が効果的に活かされており、原田の力量の高さが示されていました。

また、この日の放送では、休憩中に原田が中継所に登場して曲目の解説や演奏の聞きどころを話すなど、茶気のある振る舞いは愉快なものでした。

今年に入り急速に存在感を高めている原田慶太楼の今後の活躍が期待される、この日の公演でした。

<Executive Summary>
Stage Review: NHK Symphony Orchestra November Concert at Suntory Hall (Yusuke Suzumura)

The NHK Symphony Orchestra held the November Concert at Suntory Hall and broadcasted via NHK FM on 25th November 2020. In this time they performed Bernstein's Three Dance Episodes from On the Town, Walker's Lyric for Strings, Piazzolla's Tangazo, Copland's Appalachian Spring suite, and Márquez's Danzón No. 2. Conductor was Keitaro Harada.

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