『クラシックの迷宮』の特集「外山雄三の“指揮”を聴く~NHKのアーカイブスから~」が持つ大きな意義

昨夜は、19時20分から21時までNHK FMで『クラシックの迷宮』を聴取しました。

今回は「外山雄三の“指揮”を聴く~NHKのアーカイブスから~」と題し、今年5月10日に90歳となった指揮者で作曲家の外山雄三の指揮による演奏の録音が紹介されました。

この日の放送で取り上げられたのは、いずれもNHKが所蔵する音源で、ストラヴィンスキーの三楽章の交響曲、間宮芳生の交響曲、林光の管弦楽のための変奏曲、外山雄三の室内協奏曲、そしてプロコフィエフのスキタイ組曲でした。

指揮者である前に作曲家でもあり、譜面に音符を記す「同道の偉人たち」への深い共感と理解を背景とするのが、外山雄三の音楽作りの特徴です。

また、こうした音楽作りは、楽譜の正確な理解により、一層鮮やかな輪郭を描き、われわれの前に現れます。

自作から「現代の古典」となったストラヴィンスキーやプロコフィエフの作品まで5曲の演奏は、こうした外山の丹念で精緻であるとともに、絶えずかすかな微笑みも湛える音楽を知るには格好の機会となりました。

それだけに、作曲でも指揮でも斯界に重きをなす外山の事績がこうして取り上げられることの意味は大きく、今年4月24日(土)の外山の自作自演を中心とした「外山雄三の“卒寿”の誕生日を前に~NHKのアーカイブスから」と合わせて、この番組の持つ重要さが改めて聴取者に示されたと言えるでしょう。

<Executive Summary>
"Labyrinth of Classical Music" Took an Important Role to Show Mr. Yuzo Toayama's Achievements (Yusuke Suzumura)

A radio programme entitled "Labyrinth of Classical Music" (in Japanese Classic no Meikyu) broadcasted via NHK FM featured Mr. Yuzo Toyama and his performances on 29th May 2021. It might be a meaningful opportunity for us to understand Mr. Toyama's efforts and achievements.

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