川田順造先生の文化勲章受章を祝して

昨日、今年度の文化勲章の受章者が発表され、長嶋茂雄さんや真鍋淑郎さんら9名が受章することになりました。

皆さんの受章は大変に喜ばしいものです。

例えば、従来大学野球を頂点としていた日本の野球界に変化をもたらし、プロ野球の裾野の拡大と魅力の向上に大きく寄与した長嶋さんの受章は、文化が人間の生活にかかわるあらゆる事象を含むものであり、スポーツもわれわれの生活の一部であり、文化を構成する要素であることを改めて教えるものと言えます。

それとともに、私にとっては、長年お世話になって来た川田順造先生の受章は、ひときわ嬉しいものです。

長らく著作を通して令名を存じ上げていた川田先生に初めてお目にかかったのは、2010年10月31日から11月2日までフランスのオーラン県キーンツハイムに所在するアルザス欧州日本学研究所(CEEJA)で行われた国際日本学シンポジウム「日本のアイデンティティ--形成と反響--」でした。

この時、報告者の一人として参加した私は、発表を終えた後に川田先生から種々の指摘や助言をいただく機会に恵まれたものでした。

その後、2019年3月まで在籍した法政大学国際日本学研究所で紀要や叢書の編集を担当したこともあり、川田先生とはCEEJAで開かれるアルザス・シンポでご一緒したり、成果報告集の編纂でお世話になるなど、折に触れてご指導を受けました。

それだけに、今回の受章を機に、アフリカの非文字文化から江戸東京の水運に至るまで幅広く重層的な川田先生の研究と成果がより多くの人たちの注目を集めることになるなら、その意義は大きなものであると思う次第です。

<Executive Summary>
Celebrating Professor Dr. Junzo Kawada's Receiving the Order of Cultural Merit (Yusuke Suzumura)

On 26th October 2021 it was announced that 9 persons were honoured to receive the Order of Cultural Merit. In this occasion I celebrate Professor Dr. Junzo Kawada, who is one of those 9 persons, to receive the Merit.

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