東急百貨店本店の営業終了について思い出すいくつかのこと

本日、東急百貨店本店が閉店します。

これは店舗が所在するた渋谷区道玄坂二丁目24番の再開発に伴う措置で、1967年11月1日の開店以来55年2か月にわたる営業が終了することになります。

40年以上にわたり東急東横線沿線に住んだ私にとって東急本店は東急文化会館、東急東横店とならび、渋谷の東急関連の施設を象徴する、身近な存在でした。

東横劇場で木馬座の公演や五島プラネタリウムを鑑賞し、あるいは三省堂書店を利用した東急文化会館、東横線、銀座線、田園都市線、JR線のいずれからも至近で、スーツや洋品、文房具などを折に触れて買い求めた東急東横店、そして贈答品や書籍、文房具などを購入した東急本店と、それぞれ日常生活の中で欠かせない役割を担っていたのが、これらの3つの施設です。

2013年に始まった渋谷駅周辺の再開発により渋谷の街は急速に変化し、東急文化会館と東急東横店は姿を消しました。

今や渋谷における消費文化の一翼を担った東急本店が営業を終えることは、渋谷の街の一層の変貌を告げるものです。

これにより、かつて東横店と本店の二店舗体制であった東急百貨店は、渋谷地区から姿を消します。そして、そのあとに残る地区唯一の百貨店が、五島昇が待望した三越か高島屋ではなく、宿敵と言えた西武百貨店渋谷店の後継である西武渋谷のみとなるのは、渋谷という地域そのもののある種の地盤沈下を示唆します。

それだけに、街としての渋谷が今後どのような推移を示すか、その行く末からますます目が離せません。

<Executive Summary>
Miscellaneous Memories of the Main Store of the Tokyu Department Store (Yusuke Suzumura)

The 31st January, 2023 is the last day of the Main Store of the Tokyu Department Store. On this occasion I remember miscellaneous memories of the store.

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