【第1話】「荒川城塞」 / 荒川城塞攻防戦 ~鰐蛇大戦 決戦前語~
百清美「最悪だ」
私は荒川城塞の小天守から、眼下の光景を眺めながらそう呟いた。荒川を挟んだ対岸には、人の天敵である幾千もの鰐蛇の姿が見える。見渡す限りの地平線を埋め尽くし、縦横無尽に動き回る鰐蛇の姿に、私は思わず息を飲んだ。
その直後、墨甲冑を着た見知らぬ男が、大きな足音を鳴らしながらこちらに近付いてきた。
法道「奴らは太陽が登る今日の正午頃を狙って、一呼吸に攻撃を仕掛けてくるだろう」
百清美「恐らくそうだろう。あんたは・・・?」
法道「法道だ。そういうお前は?」