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「必ず食える1%になる方法」 藤原和博 より

いまは組織の中での「権力」ではなく、どこでも通用する力を身に付けようとする「プロ(独立)志向」の人が増えている。

大企業の役員以上の収入を、個人で稼いでいる人が年々増えてきていることが大きいのかもしれない。

どこでも食べていける「プロ志向」のニーズは確実に高まっていく。

どこでもというのは、世界中どこでもという意味なので、日本にとどまる必要はない。

世界が混沌とすればするほど、移動出来る人とそうでない人で未来が大きく変わっていくからだ。

でも、今の日本の制度からは、そういった人は輩出されにくいのが現状だ。

それは、旧来の制度にがんじがらめになっている教育制度によるところが大きい。
それに、学校の先生が「お金」について語るのはタブーとされているし、そもそも学校の先生は公務員なので自分でお金を稼ぐ経験をしていない。

実習の多い大学ほど、人気が高いのにもわけがある。

いくらホワイトカラーの仕事をこなせても、いずれAIにとって替わられてしまう可能性が高いからだ。

そのことを直感的に分かっているのだろう。

では、どうすればいいのか。

それは。1%の人、すなわち「100人に1人」のレアな人になることだ。

「2の7乗」を目指す。

その為の条件をクリアすることが絶対条件になるが、決して不可能ではない。

旧来の日本社会の成功条件は、

①男性であること。

男性であるということだけで、自動的にリーダー的存在になれた。
これは誰もが実感していることだろう。
大企業の役員は男性だらけだからだ。


②都市部に住んでいる。

都市部に住んでいるだけで、ビジネスのチャンスにも恵まれ、有利だった。

やはり有名な企業のオフィスは都心部に集中するし、顧客である若者は都内に集まってくる。
そこを狙った戦略は一見正しいように思える。

③正社員である。

終身雇用を前提とした福利厚生や健康保険などで手厚い保障をしてきた。
正社員であるというだけで恩恵を受けてる人は多い。
有給休暇などが最も優遇されている点だが、ボーナス制度なども正社員でないと存在しないので魅力に感じる人も多いだろう。

④若いこと。

若ければ、雇用の機会は広がり、年をとっている人よりも有利だった。
「転職するのは35歳まで」と言う言葉もあるが、やはり若いうちから仕事を学んでいくと成長するというイメージが根強いのだろう。
実際はそんなことはないのだが。


⑤イケメン、美人かどうか。

見た目の良し悪しが、今以上に成功要因のひとつを占めていた。
「美人は生涯年収がそうでない人に比べて1000万以上高い」というような記事を読んだこともあるが、やはり見た目で人を判断して優遇するような人間が多い証拠だろう。


⑥英語ができること。

英語が堪能というだけで労働市場における価値はグッと上がっていた。
初めて会った人が外人と英語で会話していたら、それだけで「何かこの人頭良さそう」と思ってしまう人は多いはずだ。
そして、ヒトの思い込みの力は想像以上に強い。

以上が、旧来型の成功法則だが、今時の若者に伝えてもしっくりはこないだろう。


ひとつの分野で「一万人に一人」「100万人に一人」になることがこれからの時代で最も必要なこととこの本では説いているが、これだけ聞くと至難の業に聞こえてくる。

まずは、ひとつの分野を極める。

そしてひとつの分野でプロになったら、そのままその分野を極めていくより、別の分野にスライドして、複数の分野でプロになる。

そうすると、必然的に食べていける確率も高くなっていく。

色々な方向に可能性が拡がるからだ。

「100万人に1人」は雑居ビルにひとりのイメージだが、「100万人に1人」は世代にひとりのイメージ。


もうひとつ、伝えたいことがある。

それは、「時間」についてだ。

「時間」はどんな人にも平等に与えられていて、かつ有限な資源であることは皆承知だろう。

これは、いつの時代にも当てはまる不変の定理であって、地位も名誉も手に入れた人間が最後に欲しがるのは「不老不死」、つまり「時間」なのだ。

しかし、すこしでも気を抜くと様々なメディアなどに注意を奪われ、あっという間に自分の時間は減っていく。

自分の人生は、主体的に時間をマネジメント出来るかが重要で、他人に振り回されなくなるためにはどうするかを考えていく必要がある。

その為には、「明日、自分が死んでしまうとしたらどうしたいのか」を考えながら生きてみると、自分の人生に主体性を取り戻せるはずだ。

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