トップ選手はすごい

先日いつものようにホームジムでボルダリングしていたところ、とあるプロクライマーがふらっとジムを訪ねてきました。

着替えてきた段階で「あ、この人只者じゃないな」とわかるくらいの雰囲気を持ってて、アップを見た時に確信に変わりました。

1級くらいならアップで登っちゃうんです。ほんとに簡単そうに登るので、見てるこっちが困っちゃいます。

クライミングしている中で強い人って大体ゴツいんです。
でもユースや日本代表とかに選ばれている人ってあまりごつく見えないんですよね。
必要な筋肉しかない感じ。でもそれだけじゃないなって思ってずっと登りを見させてもらってたらあることに気づきます。

前腕の太さが上腕を超えていない。
クライミングって結局のところ、純粋にどれだけ保持が強いかだと思うんです。
そうなれば競技特性上、前腕が上腕より太く見える若干アンバランスな見た目になるのが普通なのかなと思ってました。ただプロは逆三角形の綺麗な形をしています。

じゃあなんでそうなるの?そこで一つ仮説が生まれました。
成人してからクライミングを始めて強くなった人は前腕がものすごく発達している傾向があり、小学生時代からクライミングを始めているプロクライマーなどは手内筋(虫様筋や骨間筋など)が発達しているのでは?というものです。

指を曲げるための筋肉で主なものは「深指屈筋」「浅指屈筋」です。その中でも第一関節を曲げるための筋肉は深指屈筋だけです。じゃあ手内筋入らないんじゃないの?と思うかもしれませんが、ここからが重要なポイントです。
虫様筋は深指屈筋の腱から生えています。ということはカチやシビアなスローパーを保持する際に使う「第一関節の屈曲力」は関節的にではありますが、虫様筋もその一端を担っています。小さいうちから登り始めることで、手内筋をうまく使ったホールディングができているため、太い前腕じゃなくても鬼のような保持をできるのでは?と推察しました。
(あくまで個人の見解です。他にも要素があれが是非教えてください)

そしてもう一つ目を引いたものはムーブの爆発力です。
もちろんオブザベの正確さ、圧倒的保持力、柔軟性、どれをとってもトップレベル。
しかし小さな体にどんな力が秘められているんだという具合で、課題の核心部でのダイナミックさには脱帽でした。
一言で表すなら「ドンッ‼︎」って感じです。生で見たらそんな感じでした。
特にランジ系の飛び出すムーブでは、一連の動きが速すぎて盗撮したいくらいでした。
自分が0.7秒かけて作っているムーブを0.3秒で発射してる感じ。単純にムーブの正確さと速さが高いあまり、一瞬に凝縮して見えているのかな?ほんとすごいです。


今後自分がクライミングを続けていくうえで、理想の登り方を見学できて貴重な経験でした。なんでも本物に触れるのは上達への近道ですね。今回は自分の人見知りが発動してしまい、声をかけられなかったのですが、今度また会えたらサインと写真撮影を頼もうと思います。

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