Jリーグ 観戦記|ロール|天皇杯 JFA 第101回全日本サッカー選手権大会準々決勝 川崎F vs 鹿島
異なる角度から等々力を見つめた。周囲は赤で染まる。同じ場所。異なる趣。ロール。打ち鳴らされる鹿島の太鼓が身を震わせる。二〇一八年十一月。AFCチャンピオンズリーグ決勝。電車を乗り継いで赴いたカシマ。音と記憶が重なった。
川崎の動きに合わせて、鹿島の4−4−2が左右に移動する。川崎の陣形に輪郭があるとすれば、鹿島が繰り出すボールはそこに沿って流れる。意識の内にいる川崎。歪みのようなものを感じ取ることはなかった。森に分け入るのではなく、森の周囲を練り歩く。そんな光景を連想し