Jリーグ 観戦記|構造化の勝利|2021年YBCルヴァンカップ準々決勝 川崎F vs 浦和
五月に訪れて以来の等々力。この場所で夏を感じることはなかった。時は過ぎ、田中碧と三笘薫は欧州へと旅立った。そして、大陸と敵地を転線しながらの戦いは川崎に傷痕を刻んだ。守備を支えたジェジエウと谷口がいない。車屋もいない。諸行無常。四カ月という時の経過が色濃くピッチへと投影される。
浦和を率いるリカルド・ロドリゲスからはサッカーへの愛が感じられる。得点を奪い、相手の攻撃を防ぐ。普遍の目的に個性が感じられる。それはビジョンと化し、そのビジョンが構造化される。ビジョンを実践する