書評 #56|ディエゴを探して
マラドーナではなく、ディエゴを探す旅。マラドーナは僕にとって神話に近い。驚異的なプレーと同時に、数々の不祥事や奇行によって浮世離れした存在としての印象が色濃い。しかし、本書を読み終え、マラドーナとは異なる「ディエゴ」の存在を初めて知った。マラドーナのルーツであるディエゴ。そのルーツを忘れなかったマラドーナ。だからこそ、この世を去ってもマラドーナはマラドーナとして人々の記憶に生き続けるのだろう。
本書に記された多くの詩的な表現に胸は高鳴る。ディエゴのプレーは「魔法」と形容