書評 #51|心が震えるか、否か。
『心が震えるか、否か。』は真摯な作品だ。香川真司が心の声に向き合い、ミムラユウスケがそれらの声を一つに紡ぐ。濃密な言葉の数々は細部へと眼を向ける、香川の丁寧な性格を表現しているような気がした。
本書は出会いの物語でもある。努力を継続する力。天真爛漫な一面も持ち合わせる人間性は人々を魅了し、ライバルたちを凌駕していく原動力となる。小菊昭雄、レヴイー・クルピ、ユルゲン・クロップ、アレックス・ファーガソン、トーマス・トゥヘル。師たちと出会い、その出会いを力へと変えながら、香川