甘いカフェオレ

事務室の近くに飲み物のベンダーがあるのだが(紙コップに出てくるタイプ)、今日の残業の休憩時に久々に甘いカフェオレを買うことにした。

ホットのカフェオレの表示のところに、ポップみたいなのがついていて、「人気商品!」となっているので、思わず笑ってしまった。

糖分、カフェイン、温かさ。

このカフェオレには、疲れた、よし、気合を入れよう!と思うときに必要なものが全部揃っている。皆さん、ほんとお疲れだ。

隣の缶ジュースの自販機では、モンスターエナジーのロング缶も売っているが、それはどちらかというと学生が買っていくのだろう。エナジードリンクはちょっと量が多いし、冷えてきたので冷たいものは遠慮したい。それで職員はみんなカフェオレに行く。

カップに出てきたカフェオレを手にとって、一口すすると、非常に甘ったるかった。缶のUCCコーヒーもそうだが、この激烈な甘さを含んだコーヒーが、とても懐かしい感じがして、嫌いではなかった。コーヒーというよりも、これは別の飲み物なのだ。リポDやレッドブルと同じような、ブースター。

開発フロアにも飲み物のベンダーがあったんだよな、と、前職の職場を思い出す。深夜残業当たり前の都内のシステム会社だったが、そこでの人気商品は、デカビタと、やはりホットの甘ったるいカフェオレだった。私は毎朝出勤するとその甘ったるいカフェオレを飲んだものだ。あまりにしょっちゅう品切れになったので、しまいにはボタンが2箇所に増えたのだったなぁ、などということを、ぼんやりと思い出す。

甘い飲み物つながりで、唐突に、同じ部署の同期だったIのことを思い出した。
Iは、昼ごはんがコカ・コーラのミニボトルというような人で、ある時見かねて不健康じゃないかと言うと、平然と「食べる気しないんだよね、糖分が取れればいい」と言っていた。いかにも開発者然とした開発者。確かゲーマーでもあった。Iは開発者としてかなり優秀で、いつもキーボードと同じくらいの目線で座って、ダウナーな感じで高速でキーボードを叩く。なんか持っていけばすべてが高速に片付いていく。ものを食べないし、Iは実はアンドロイドなんじゃなかろうかと密かに思っていたものだ。
Iは今も同じところで働いているのだろうか。同い年だったが、同じような生活を続けて、身体を壊していないといいのだが。

さて、もうひと頑張りするか。

前よりだいぶ身体に優しい職場にきたおかげで、ブーストのさせ方をすっかり忘れていたけれど、たまには甘ったるいカフェオレで昔を思い出して不健康に頑張ってみるのも悪くないかもな、と、飲み干しながら思った。まぁ、それも今だけだってわかるから思うことだけれども。

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