人に思っていることを言わない人の考え方

※この文章は、私信を含みます。このように公開すべきか迷いましたが、長文を送る手段がわからなかったのでそのまま公開してしまいます。なんのこっちゃと思う方は、とりあえずそうなのねと思ってください。

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世界に困惑していそうな様子だったので、声をかけました。たぶん、とても真面目で、真っ直ぐで、素直な方なんだと思います。そんなあなたが潰れるのはもったいないと思うので、思っていることをあまり人に(口では)言わない人の一人として、私の感じ方などを書きます。ご参考まで。
ただ、詳しい状況がわからないのと、私はその人ではないので、以下のことが当てはまるとは限らないこともどうかご承知置きください。

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私が人に思っていることを言わないときは、だいたい次のようなときです。

・言っても聞いてもらえない、変わらないと思うとき。
・言うと自分にとってより悪い結果になると察知されるとき。
・言ったほうがいいとは思っても「いま」「この場で」は言うべきでない、効果がないと思ったとき。
・それを「私が」言うことが立場上正しいと思えないとき。
・言いたいことをうまく伝えられない、伝わらない予感がするとき。
・相手のことをどうでもいいと思うとき。

そのようなとき、私はけっこう簡単に口頭でのコミュニケーションを諦めます。

思っていること、のレベルというか、深度にもいろいろあって、どんな内容かにもよるのですが、私の場合は、これを言ったら、この単語を使ったら、誰がどう思ってどこにどんな反応が起きてどんな影響があるか、というのを、割と全方位、内側で事前に計算しようとします。ほぼ無意識のうちに。

私が人に思っていることを言わないのは結局どういうときかというと、その事前の計算、シミュレーションの結果、言ったところで目的が達成されないと踏んだとき、または、言うと最終的に自分に害が来ると結論づけたとき、もしくは、どうなるか読みきれなかったときです。

本心を言うのは、自分を脅かさないという相当の確信が持ててからです。そしてその判断のために普段から人を観察し、この人は信頼に足る人かどうか、私の言葉を受け取る人かどうかを、かなり見定めています。

たとえ話ですが、暗闇の中に放り込まれたとき、その場所に敵がいないと分かっていれば声を上げたり手探りで進もうとするでしょう。しかし、暗闇の中に虎がいるかもしれないとしたらどうでしょうか。まずはじっとして暗闇に目が慣れたり匂いがわかるようになるまで声も上げず身動きもしないのではないでしょうか。

初対面の人、付き合いの浅い人と話をするとき、一対一以外で話をするとき、自分のことを発しなかったり、何かを言われて即座に返さないのは、虎がいないかどうかを慎重にうかがっているためなのです。
(ちなみにnoteのオープンなコメントに私が返信しないのも根底にはこれがあり、現実世界でのそのような観察や集中が面倒だからこそnoteを書いているので、ここにきてまで全集中を保ちたくないためです。)

なぜそのような計算をするようになったかというと、これまで、何を言っても何もいいことがない経験、いわゆるダブルバインドに苦しめられる経験が多かったからです。処世術としてのシミュレーションです。

気をつけて自己観察してみてほしいのですが、思っていることは言ってほしいと人に言うその裏に、怒りや苛立ちは含まれていないでしょうか。なんで言わないのか、言わせたい、そんなに信用がないのか、普通言うべきであり、相手は間違いである、など。思っていることを言わない人は、それをとくに敏感に察知します。だから言わないのです。

そして、そのような人に、自分は自己開示したのだからあなたも自己開示しなさい、と取引条件のように迫るのは、逆効果です。よく、カップルで、自分はケータイを見せるから相手のも見せてくれ、という考えでトラブルになることがあるでしょう。あなたが自己開示することと、相手が自己開示することは、繋がりません。自己開示しても大丈夫だと相手自身が思わない限り、鍵は開きません。そのことを理解してもらえていないなら言っても伝わらない可能性が高い、とあっさり結論付けられて、口を閉ざしてしまいます。

なので、思っていることを言ってほしかったら、思っていることを言うと良いことがあると信じさせてあげなければなりません。そのような希望を持てたとき、初めて私は人に何かを打ち明けます。
それが心理的安全ということです。

学問の世界で安心して意見を戦わせることができるのは、それが良いことにつながると皆が信じるフィールドだからです。他の世界では、なかなかそのような共通認識を持てることはありません。

あなたはおそらく人に何かを指摘して、それに対して思わぬ反応が返ってきてしまった、という状況なのかなと拝察しますが、そのときの言葉遣いや感情は、どのようなものだったでしょうか。

完璧じゃなければ人に指摘してはいけない、ということではありません。誰もが不完全であることはそのとおりです。指摘し合い、受け取り合うことは、より良い未来につながります。しかしここで考えてみてほしいのですが、相手が受け取らない指摘は果たして指摘として意味があるでしょうか。そうかもしれないけど言い方あるよね、という反応が来たのであれば、聞いてもらうための戦略をたててみることも必要かもしれません。

そして、言ってくれなきゃわからない、を言う前に、なぜ言おうとしてこないのかを少し想像してみてください。言うことによって良くなると、相手は信じられていないかもしれません。

まぁ、そういうの全く関係なしに単純に合わない人なのかもしれないし、相手の機嫌が悪かっただけかもしれませんけどね。そういうときもあります。

内に溜め込む人の考え方が知りたいということだったので、一例としてご紹介しました。
話がずれていたらすみません。
また、気を悪くされたらすみません。
私はあなたと近い時期にnoteを書くようになって、勝手に同級生みたいに思っていて、私にとってどうでもいいとは思えなかったので語ってみました。

長文失礼しました。

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