見出し画像

#1 わたしがわたしのゆうしゃになる

セーブデータ1

開くことを忘れたカーテン。日が差すことのない部屋。転がり続けるベッドの上。
聞きたい訳じゃない、ただ耳に入り込んでくる全てのものを掻き消したくて耳から音を流し込む。ただ、音を。
感情を失っても涙は止まることはなく、でも泣き叫ぶ力さえもうない。
そしたらそのうち、涙すら出なくなって無になった。

果てしない真っ暗闇に突き落とされた数年前。
得意だった笑顔の、笑い方も忘れてしまった。
もう、おわってしまえばいいとおもった。

それなのに。
あれからどのくらい経ったのだろう。
どうやってここまでたどり着いたのか。
でも確かにここまで来たみたいで。

振り向くと原型を留めていない真っ暗な「わたし」。
こんなの、わたしが笑い飛ばしてやらなきゃ。
笑えない過去を、笑えるのはわたししかいないじゃない。
わたしが、自分で倒さなきゃ。
あのときのじぶんをすくわなくちゃ。

目を瞑れば、真っ暗のスクリーンに音楽が流れる。
壮大でも劇的でもない、素朴なファンファーレ。
それでもそれは音ではなく、確かに音楽。

わたしが、わたしのゆうしゃになる。

世界を救うこともできない。
運命も背負ってない。
転生もできない。
ただ、生きてみようとしているだけ。
これは、そんなゆうしゃの冒険記録。

ーーー

はじめまして。くだてとと申します。
思い立って、ゆるゆると自分と向き合いながら書き連ねてみようと思い始めました。
内容はvsこころの病気の実話に基づき、いつか笑い飛ばしてやるための、自己満足な内容になるかとは思いますが、頭の中で起こったことを率直に書いてみようかと思っております。
とはいえ、自分の中でなるべく楽しく過去や現在のことを受け入れようとする観点から、あいたたたたたな文章になることが多いかと思います。いやもうすでに。それでも読んでくださる方がいらっしゃれば、駄文ですが、どうかお付き合い下さいませ。

くだてと(2021.8下書きより)
ーーー

セーブしますか
▶︎はい
 いいえ

この記事が参加している募集

#自己紹介

232,502件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?