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コルムが持つ革新と審美性

私の一番好きな腕時計ブランド。
それは「コルム」というブランド。
バブル期は「ロレックスかコルムか?」と言われていたくらい流行した(都市伝説か?)ブランドで、古い腕時計通の人なら知っていると思います。

今日はそんなコルムについて紹介したいと思います。

コルムの歴史

1924年に、創業者ルネ・バンヴァルトの叔父であるガストン・リースがスイス腕時計の聖地、ラ・ショー=ド=フォンに前身となる腕時計工房を設立します。
ルネ・バンヴァルトは若くして高級腕時計メーカーで修業したのち、1955年にコルムを創業します。

コルムとは、議会で議決をとる為の絶対多数という意味を持つラテン語
Quorum」という言葉に由来しています。
ここには、世の中に支持されるブランドになりたいという強い思いが込められています。

ブランドのエンブレムとなっている空を指す鍵は、ブランド最初のモットー「完全な時への鍵」(Key To Perfect Time)に由来し、新たな扉を開ける「革新」を象徴しています。
そして、設立当初からの革新的な時計作りにより、時計業界の先端を走るブランドとして他ブランドには無い斬新な時計製造にチャレンジを続け、数々の歴史に残る名作を作り続けてきました。

歴史に名を残し続ける革新的なデザイン

1956年・・・文字盤に数字も目盛りも無い「ノーマーカー・ダイヤル」を発表。これがコルムのデザインの基礎となります。

1960 - Admiral

1960年・・・角型防水時計「アドミラル」を発表。

1965 - 20$ Coin watch

1965年・・・本物のコインをスライスして機械を組み込んだ「コイン・ウォッチ」を発表。歴代のアメリカ大統領に愛用された。

1970 - Feather

1970年・・・本物の孔雀の羽を文字盤に使用した「フェザー・ウォッチ」を発表。

1976 - Rolls-Royce

1976年・・・世界で初めて自動車メーカーとパートナーシップと締結し「ロールス・ロイス」を発表。

1980 - Golden Bridge

1980年・・・稀代の独立時計師ヴィンセント・カラブレーゼが構想と原型製作を行った「ゴールデン・ブリッジ」を発表。

1983 - Admiral's Cup

1983年・・・初代アドミラルを再解釈し文字盤に国際海洋信号旗を配したコルム随一のベストセラー「アドミラルズ・カップ」を発表。

2000 - Bubble

2000年・・・グッチの時計部門に携わっていたサヴァリン・ワンダーマンがオーナーとなり、厚さ11mmのドーム型サファイアクリスタルガラス製風防を持つ「バブル」を発表。彼はスカル愛好家だったため、文字盤にスカルがよく用いられている。

2005 - Classical Vanitas

2005年・・・文字盤に象嵌装飾を施した「クラシック・ヴァニタス」を発表。
※画像は全て公式HPから引用。

他にも特徴的なデザインの持つ腕時計を多数発表しています。
これほどまでに多種多様なデザインを歴史に持つブランドは、コルム以外には無いでしょう。

そんなコルムの革新的な審美性は、創業者であるルネ・バンヴァルトの言葉に刻まれています。

Since 1955, CORUM has adopted creativity and boldness as its guiding principles.
「1955年以来、コルムは創造性と大胆さを指針として採用してきました。」

コルムはこれからも「唯一無二」を継承していく、と現在のCEOであるジェローム・ビアール氏は語っています。

私の腕時計と、コルムへの思い

CORUM - Admiral 38

私の愛用しているコルムがこちらです。
ケースサイズは38mmで、細腕の私にはぴったりです。
厚みは9.3mmで結構薄めなので軽くて袖口に引っかからず、なおかつベルトが適度にユルいので腕馴染みが良いです。

現行アドミラルの中でも国際海洋信号旗が大きく描かれており、とてもカラフルで身に着けていると爽やかな気分になります。

ムーブメントはセリタ社のSW300です。
汎用ムーブメントを使用しているのでメンテナンス性も高く安心です。

コルムは過小評価されているブランドだと個人的に感じます。
技術面で革命的な何かを生み出したりはしていないけれど、デザイン面で遊び心がありながらも高級感を損なわないので所有感を満たせます。

そりゃ、2013年に中国資本(冠城鐘表珠宝集団)に買収されているし、雑誌にもあまり取り上げられないし、名門ブランドでありながらも影が薄いのは確かです。

それでも、私はそんなコルムが大好きです。
これからも、このコルムの腕時計と共に人生を歩んでいこうと思います。

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