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人生は廻る輪のように

今日は、エリザベス・キュブラー・ロスの遺した自伝「人生は廻る輪のように」を紹介します。

著者は著名な精神科医で、現代では当たり前となったターミナルケア(終末期医療)やサナトロジー(死の科学)の第一人者であり、1969年の「死ぬ瞬間」という著書で世界的に知られるようになった。

彼女が提唱した死の受容の5段階はあまりにも有名である。

この自伝は晩年に書かれたものであり、生と死に関して非常に真に迫る内容であるにもかかわらず、評価が分かれている。

後半に描かれているオカルトやスピリチュアル的体験が一部の読者に対して嫌悪感を抱かせているようだが、彼女がエビデンスを重んじる医学界の人間でありながら、そういったものをありのままに受け入れる器があるからこそ、死に関する第一人者となれたのは明らかである。

この本ほど、生と死を正確に捉えている本は無いと思います。

この本に書かれている人生にとって重要なことを少し引用したいと思います。

けっしてあきらめてはならないことを学んでほしかったからだ。
人生に保証はない。
だれもが難問に直面する。
直面することによって学ぶようにできているのだ。

エリザベス・キュブラー・ロス「人生は廻る輪のように」281pより

第22章 いのちの目的 からの一文である。

人生には困難が伴う。
それは特別な事ではなく、誰でもである。
幸せになりたい。
お金持ちになりたい。

何故望むものがすぐに得られないのだろうか?

その答えがこの一文からはっきりとわかる。

生きている以上、だれもが苦しい目にあう。
偉大な人もいれば、無価値にみえる人もいる。
だが、いかなる人も、わたしたちがそこからなにかを学ぶべき教訓である。
わたしたちは選択をつうじてそれを学ぶ。
よく生き、したがって、よく死ぬためには、自分に「どんな奉仕をしているか」と問いかけながら、無条件の愛という目標をもって選択すればそれでじゅうぶんなのだ。
選択は自由であり、自由は神からあたえられたものだ。
神があたえた自由は、成長する自由愛する自由である。

エリザベス・キュブラー・ロス「人生は廻る輪のように」344pより

第27章 死後のいのち からの一文である。

彼女は人生に最も大事なのは無条件の愛であり、それは自由だと述べている。

彼女は隣人を愛せ、とは言わない。
それは押し付けであり、強制である。

大事なのは選択である。

いちばんすぐれた医学はもっとも単純な医学である。
みんなで自分を愛すること、自分をゆるすこと、いつくしむこと、理解することも身につけましょう」ワークショップに終わりに、私はいつもそう訴えた。
それはわたしのすべての知識と経験の要約だった。

エリザベス・キュブラー・ロス「人生は廻る輪のように」473pより

第36章 カントリー・ドクター からの一文である。

約8年もの間、精神疾患で苦しみ続けた自分にとっては珠玉の言葉となった。

これができていないから病気なのだと。

この本でいうことは本当に的を得ている。

まとめ

本書は500ページを超える大作であり、前述したようにオカルトやスピリチュアルに対して嫌悪感を感じる人には違和感があるだろう。

だがしかし、彼女が生と死に関しての第一人者であることは明白であり、この本を読めばそれが当然だということもわかるだろう。

生と死に関して本当のことを知りたければ是非読むことをおすすめする。

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