見出し画像

住宅街にこんな建築があった。目白駅周辺のレトロ建築(近代レトロ建築-08)

目白駅というと、山手線の中では地味な存在ながら隣の池袋とは違って、すぐ頭に浮かぶのは学習院大学や日本女子大学などちょっとアカデミックで、少し上品なイメージがありませんか。

学習院大学などは後日、詳細に見てレポートしていく予定ですが、今回はそんな目白でも山手線の少し外側に広がる住宅地の中でひっそり、目立たずに残るレトロ建築をピックアップして訪れました。池袋側にある自由学園明日館は「超」が付くくらい有名ですが、そのほかの建築も見逃せません。そんなに広くないエリアに点在しているので、少しの空いた時間で巡ることができます。


マップが見えない方(iPhoneのsafariでは警告が出る)はこちらのリンクから。

いきなりですが、表題に反して歩く手順を考えて池袋駅からスタートしました。池袋駅南口側のメトロポリタンホテルを目指してルミネ横を通り駅を出ます。メトロポリタンホテルを過ぎると、池袋とはいえ程なく普通の住宅街になっていきます。要所要所に「自由学園明日館」という案内板があり、迷うこともありません。

自由学園 明日館

竣工年:1921年(大正10年)設計:フランク・ロイド・ライト。
羽仁もと子、吉一夫妻が創立した自由学園の校舎として巨匠フランク・ロイド・ライト、弟子の遠藤新の設計により建設されました。中央棟、講堂など4棟で構成。

現存する数少ないフランク・ロイド・ライト設計の建築で、ほぼ完全な姿で残っている点でも貴重で国重要文化財です。すでに学園は移転し、内部を含め有料で公開されています。時間限定ですが、明日館スタッフによる建物ガイドの開催や夜間見学、ホールでの喫茶なども可能な様です。

自由学園 明日館
自由学園 明日館
自由学園 明日館

私が訪れた当日は休館日に当たってしまいましたので、残念ながら道路からの撮影のみになりました。今回のメインになる建築なのに写真は少ないですが、道路からでも十分その美しさは観察できます。ぜひ、実際に自分の目で直に見てください。

自由学園明日館の前の道は「フランク・ロイド・ライトの小路」という洒落た名前です。この路地を進み、目白駅の方へ向かう途中の住宅街の中に徳川黎明会があります。

徳川黎明会

竣工は1932年(昭和7年) 、設計は国立博物館本館や第一生命館、銀座和光を手がけた渡辺仁。何故こんな所に?という疑問が出てきますが、この西洋館は元々麻布にあったものが移築されたようです。

徳川黎明会は尾張徳川家伝来の美術品・文献資料等の収集・保管管理、徳川美術館などを運営している公益財団法人のようです。ここは非公開のようで敷地内には入れませんが、門の外からある程度外観を伺うことができます。

徳川黎明会
徳川黎明会

ここから更に住宅街を目白通りまで歩き、目白駅の方へ歩くとすぐに日本聖公会目白聖公会があります。

日本聖公会 目白聖公会

竣工年:1929年(昭和4年)設計:坪井正太郎。
ロマネスク様式の建物は戦災による焼失を免れ、東京にある聖公会の中で唯一の戦前からある教会です。これぞ教会という雰囲気で美しい建築です。

日本聖公会 目白聖公会
日本聖公会 目白聖公会

JR目白駅まで歩き、線路を左に見て直前の路地を高田馬場の方へ進みます。線路沿いから細い急坂を登りながら日本バプテスト目白ヶ丘教会へ向かいます。

日本バプテスト目白ヶ丘教会

竣工年:1950年(昭和25年)設計:遠藤新。
礼拝堂は遠藤新の設計でフランク・ロイド・ライト様式の建物です。自由学園明日館と似た、瀟洒な雰囲気を感じます。

日本バプテスト目白ヶ丘教会
日本バプテスト目白ヶ丘教会
日本バプテスト目白ヶ丘教会

同じ道筋の100mも離れていない突き当たりに旧学習院昭和寮があります。

旧学習院昭和寮 (日立目白クラブ)

竣工年:1928年(昭和3年)設計:宮内省。
学習院高等寄宿舎として建設。スパニッシュスタイルの建物で、アールデコ調の美しい曲線装飾が特徴です。今も創建当時の雰囲気を保って日立関係者の催事や結婚式場として使われているようです。非公開ですので道路からの撮影です。

旧学習院昭和寮 (日立目白クラブ)
旧学習院昭和寮 (日立目白クラブ)
旧学習院昭和寮 (日立目白クラブ)

知らないと、なかなかこうした住宅地の中にある建築を目指して来るということがないだけに、ちょっと得した気分になります。目白駅に戻ると、山手線の線路の反対側はもう学習院大学です。


この記事は、私の「東京レトロ街歩きガイド&マップ」サイトのテーマ別「Th-07今に残る近代レトロ建築」を基に街歩きをしています。記事の内容以外にもAll in Oneのガイド&マップになっています。こちらもぜひ参照ください。

またinstagramでも「近代レトロ建築」を発信していますので、訪問してみてください。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?