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東京レトロな街歩き

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歴史が積み重なった東京の深層を知りたい。今まで素通りしていた東京のレトロである江戸史跡、明治、大正、昭和の近代遺構を実際に歩いて、この目で確かめたい。そう考え、東京のレトロに焦点…
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記事一覧

都心に生きる古木たち-谷中編

東京の都心と言われるエリアは開発も進み、道路とビルだらけで、緑が少ないというのも事実だと思います。しかし、都心にも江戸から続く古い寺社や大名屋敷の痕跡が保存されていて、探してみると案外古木、巨木が見つかります。都市化の中、ビルに囲まれ排気ガスにまみれながらも、健気に都会の喧騒の中で生き抜いているのです。田舎や郊外ではなく、都心にあるからこそ貴重なんだと気付かされます。この目で見ておきたいと思ってきました。 こうした都内の古木は関東大震災の火災や東京大空襲にも耐えてきた証拠で

観光、食べ歩きじゃない谷中のレトロな街歩き

谷中は「谷根千」と言われる下町の街歩きで人気のエリアですが、ネットやガイド本の詳しい情報は主に谷中銀座や食べ歩き中心です。 谷中の魅力はそれだけではありません。谷中は「寺町」と呼ばれるように、60以上の仏教の寺院が集中している古い下町です。上野戦争で罹災したものの、震災や空襲では被害が少なく、江戸以来の古い町屋や狭い路地の町並みが今でも残っています。そのような歴史に裏付けられた魅力を持った街、谷中を歩きます。 なお谷中の魅力は多く、この街歩き記事では史跡、遺構、建築などに絞

実は巨大軍需工場だった。後楽園周辺の戦争の痕跡を探る。

現在の東京ドーム、小石川後楽園一帯は、明治期には巨大な軍需工場地帯だったというのをご存知でしょうか。 江戸から明治になると、江戸の大名屋敷跡の広大な土地は明治政府に収用され、富国強兵の政策のもとで多くは陸軍の用地となりました。かつて東京にあった軍施設の面積は世界でも類を見ないほどで、まさに東京は首都であると同時に軍都でもありました。 現在の東京ドーム、小石川後楽園、文京区役所、礫川公園、都戦没者霊苑、中央大学を含む広大な一帯は元は水戸徳川家の屋敷跡でした。ここに陸軍砲兵工

場外市場だけではない。近代が始まった築地を歩く。

築地といえば築地市場、場外市場を思い浮かべる人も多い筈ですが、そればかりではありません。 江戸からの歴史の積み重ねがあります。築地は、江戸時代1657年(明暦3年)の明暦の大火の際に焼失した浅草御門南の西本願寺(現在の築地本願寺)の代替地として、佃島の住人によって文字通り土地が造成されたものです。その後、浄土真宗の寺院や墓地が次々と建立され、周辺は寺町のようになりました。 更に江戸末期には、幕府は軍事力増強を目的として築地に講武所を設け、後に海軍部門の軍艦操練所を設置、勝海

京橋を歩く。日本橋と銀座の狭間で。

京橋というと、日本橋と銀座に挟まれて影が薄いですね。めぼしいランドマークも少なく、日本橋から歩くと、いつの間にか京橋を通り過ぎて銀座になっているという印象です。歴史に疎い私が「京橋」を紐解くと… 昭和22年には京橋区と日本橋区が合併して中央区となった…とあります。京橋区なんてあったんですね。昭和34年京橋川の埋め立てによって橋はなくなり、現在は首都高速が上を走っています。今回は、そんな京橋の見落としがちな史跡の歴史散歩です。 マップが見えない方(iPhoneのsafari

江戸のお裁き。捕物の現場を辿りませんか。

今でこそ時代劇の影が薄いですが、時代劇といえば奉行所と与力、同心、そして拷問のあった牢屋敷という江戸のお裁きのシステムは誰でも知っています。では、江戸のどこにあったのでしょうか。現代の東京では何処なんだという素朴な疑問を解消したいと思います。 ヒントは今でも残っている地名にあります。時代劇などで必ず登場するお馴染みの言葉ですが、八丁堀の旦那とか、小伝馬町の牢屋敷、南町奉行所、北町奉行所…江戸城から見てどの辺か確かめることにしました。東京のこういう所で実際に繰り広げられていた

東京の真ん中、江戸城(皇居)を極めませんか その5(千鳥ケ淵から桜田門へ)

レトロもレトロ、東京の真ん中の真ん中の江戸城です。誰でも知っているし定番中の定番で情報も溢れているんですが、外せないポイントでもあり真っ先の載せます。「江戸城を極める」ということで、皆さんも案外見落としているところもあると思うので、一読頂けたら嬉しいです。同時に、江戸城のみならず内堀の周囲にある近代の遺構も沢山あるので、一緒に取り上げていきます。 その5(千鳥ケ淵から桜田門へ)まで来ました。これで、内堀を一周したことになります。因みに「江戸城を極める」は以下のようになってい

東京の真ん中、江戸城(皇居)を極めませんか その4(北の丸から田安門へ)

レトロもレトロ、東京の真ん中の真ん中の江戸城です。誰でも知っているし定番中の定番で情報も溢れているんですが、外せないポイントでもあり真っ先の載せます。「江戸城を極める」ということで、皆さんも案外見落としているところもあると思うので、一読頂けたら嬉しいです。同時に、江戸城のみならず内堀の周囲にある近代の遺構も沢山あるので、一緒に取り上げていきます。 その4(北の丸から田安門へ)です。因みに「江戸城を極める」は以下のようになっています。外堀については後日レポートします。 その1

東京の真ん中、江戸城(皇居)を極めませんか その3 (平川門から清水門へ)

今回は「江戸城を極める その3 (平川門から清水門へ)」ということで、皆さんも案外見落としているところもあると思うので一読頂けたら嬉しいです。同時に、江戸城のみならず内堀の周囲にある近代の遺構も沢山あるので、一緒に取り上げていきます。 因みに「江戸城(皇居)を極める」は以下のようになっています。外堀については後日レポートします。 その1  (江戸城本丸から三の丸) その2 (内堀 和田倉門から外桜田門へ) その3 (内堀 平川門から清水門へ) この記事です。 その4 (内堀

東京の真ん中、江戸城(皇居)を極めませんか その2(和田倉門から外桜田門へ)

レトロもレトロ、東京の真ん中の真ん中の江戸城です。誰でも知っているし定番中の定番で情報も溢れているんですが、外せないポイントでもあり真っ先の載せます。「江戸城を極める」ということで、皆さんも案外見落としているところもあると思うので、一読頂けたら嬉しいです。同時に、江戸城のみならず内堀の周囲にある近代の遺構も沢山あるので、一緒に取り上げていきます。 「江戸城を極める」その2(和田倉門から外桜田門へ) です。因みに「江戸城を極める」は以下のようになっています。外堀については後日

東京の真ん中、江戸城(皇居)を極めませんか その1(江戸城本丸から三の丸)

プロフィール後のnote投稿記事の1回目です。まずはコンセプトの「東京レトロ街歩き」で、実際に歩いたレポートをnoteへ投稿します。 今回は...レトロもレトロ、東京の真ん中の真ん中の江戸城から始めます。誰でも知っているし定番中の定番で情報も溢れているんですが、外せないポイントでもあり真っ先の載せます。「江戸城を極める」ということで、皆さんも案外見落としているところもあると思うので、一読頂けたら嬉しいです。同時に、江戸城のみならず内堀の周囲にある近代の遺構も沢山あるので、一