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「な」悩み・なだらか・啼かぬ:俳句幼稚園

悩みなど無き素振りして鎌鼬
なだらかに富士の稜線雪白し
啼かぬ子の足音探す冬北斗

なやみなどなきそぶりしてかまいたち
なだらかにふじのりょうせんゆきしろし
なかぬこのあしおとさがすふゆほくと

「な」和やかとか中々とか何気にとかよく使う言葉も多いけれど、何となく地味な印象のナ行。
1句目、説明不要。本音は出したり出さなかったり、出せなかったりするけれど、節制することだって大事。でも隠してたら何かの拍子で傷みとか傷に気づいてしまったりする。
2句目、類想っぽく、絵はがきとか銭湯の壁画、若しくは書き割りみたいでベタだとは思う。でも、雪を纏った富士山はとても美しく、特に青空に映える雪の白さといったら・・・純白の積雪の美しさ、雪って白かったんだよな~って感嘆する朝が年に数回くらいある。
3句目、辛いこと・悲しいこと・大変なこと、泣いたり喚いたりしても伝えられる人はまだ、大丈夫なのかな、繋がってるし、なんて思う。気にかけてあげたいのは、声を出せない人・ひっそりと泣いてるような人。哀しみのどん底で、生きる気力も失せてるような、そんな人にこそ何かできたら、なんて気持ちを詠んでみた。