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ゆるるか
2022年7月15日 07:12
文:よしおか あゆみ /絵:いがらし さき海か。コンクリートで、海と陸の境界を綺麗にストンと切り分けられた足元を見る。山から転げ落ちて幾星霜、たどり着いたのが無機質な埋立地の倉庫街とは、ずいぶん色気がないものだ。間もなく顔を出すであろう太陽の先駆けの光が、赤く空を覆っている。そしてそれは、そう遠くない対岸のビル群を背後から煌々と照らし、まるで黒い積み木を積み上げたようになっていた